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ピーターさん

ピーターさんはフォナック・カナダで働いているとても陽気で明るい方です。私が最初に会ったのは会議の席だったのですが、ごく当たり前のように FM システムを使っていました。そんな当たり前の使い方に正直私自身とても驚きました。それでは、彼にインタビューした内容をご覧ください。

インタビュー時期: 2010 年 2 月

趣味のベースを持ったピーターさん。

■ ピーターさんの自己紹介をお願いします。

私はオンタリオ州 ミシサーガにあるフォナック・カナダでFM製品のプロダクトマネージャーとして勤務しています。出身のウェスタン・オンタリオ大学では臨床聴覚学を専攻し、耳や聴覚について勉強していました。大学卒業後、最初は病院に勤務していましたが、10 年ほど前から現職に就いています。入社した当時、フォナックはこんなに小型の受信機を開発できるのかとすごく驚きました。

趣味はスキーやカヌー、カヤック、音楽です。特に音楽は本当に大好きで、友人とバンドを結成し、ベースを担当しています。

■ ピーターさんが使っている補聴器、人工内耳を教えてください。

私の左耳にナイーダUP、右耳にコクレア社耳かけ型フリーダムを装用しています。

■ ピーターさんが使っているFM 製品を教えてください。

送信機としてSmartLink+、受信機として左耳はナイーダUP専用の一体型受信機 ML10i、右耳は耳かけ型フリーダム専用受信機 MicroLink Freedomを使っています。

■ ピーターさんはいつから FM システムを使用していますか?

今は珍しいと思いますが、小学校を入学したときから高校を卒業するまでの12年間はFMシステムを使ったことはありません。私が初めてFM システムの存在を知ったのは大学2回生のときです。確か1984年だったと思います。実は大学1回生をもう少しで落第しそうでした。講義室はとても広く先生が何を言っているのか聞こえませんでした。聞こえに悩んでいたときにFM システムを知ったときは本当に驚きました。こんなに先生の講義が良く聞こえるようになるとは思っていなかったのです。それと同時にどうして誰もFM システムについて教えてくれなかったのだろう、と残念に思いました。そのとき私は難聴の人達に私と同じような寂しい思いをさせたくないと思ったのです。これが私にとって今後生きていく上での大きなモチベーションとなり、オーディオロジスト(海外の聴覚専門家)になろうと決めました。なるべく多くの人達がFM システムを使って、聞こえに不自由なく生活していただくことが私の大きなミッションとなっています。

■ FM システムについて誰かが教えてくれたのですか?

いいえ、周りの方はFM システムを知りませんでした。偶然FM システムの存在について知った私はすぐに試聴して、自分にとって必要なものだと分かりました。現在はオーディオロジストがFMシステムの大切さを知っています。現在のカナダでは難聴のこどものうち、90 % 以上のこどもが FM システムを使っていますよ。おとなで FM システムを使用している方も続々と増えています。

■ ピーターさんがFMシステムを使う理由を教えてください。

補聴器も人工内耳も優れた性能を持っていて、私に素晴らしい聞こえをもたらしてくれます。しかし周りが騒がしい場所にいると聞き取りが難しくなってしまいます。そのような場所でFMシステムを使用すると騒がしい場所でも聞き取りがスムーズになり、すごく便利なのです。私は毎日、FMシステムを6時間ほど使っています。

■ ピーターさんはどのようなときに FM システムを使っていますか?

仕事ではスタッフとのミーティングや携帯電話で話すときに FM システムを使っています。また少し騒がしい場所でお客様と打ち合わせをするときにも使います。

プライベートでも FM システムは大活躍です。例えば以下のようなときに FM システムを使っています。

  • レストラン、バー、カフェ
  • 車の中で家族と話すとき
  • 講義を受けるとき (趣味のカヤック、スキーの講義を受けています)
  • 旅行 (コンダクターの方に持ってもらいます)
  • iPod、テレビ、コンピューター
  • 教会
  • 携帯電話(Bluetooth)
  • カーナビ

■ カナダ政府は難聴の方にどのようなサポートがあるのですか?

小学校から高校まで全てのこどもには FM システムが支給されます。ほとんどのこども達はフォナックの FM システムを使っています。学校で使う以外に、自宅で使うための FM システムも支給されるケースもあります。ただおとなの場合は全ての方に FM システムが支給される、という状況ではありません。

■ あなたにとって FM システムとは?

私にとって FM システムは「私の人生を十分に楽しませてくれるもの」です。 FM システムのおかげで私は友人と食事したり飲みに行ったりすることができます。難聴の私でも FM システムを活用すれば健聴の方と同じように不自由なく行動することができます。もし FM システムがなかったら、今の自分のように生活できないと思います。

FMストーリー(ピーターさん)_No.3

 

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