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ベンジャミンさん

FM システムを開発・製造しているフォナックのスイス本社に補聴器・人工内耳と一緒にFM システムを仕事や普段の生活で使っている社員がいます。今回はそのベンさんに FM システムについてインタビューしてみました。

インタビュー時期: 2010年1月

Benjamin Heldner
FM サポート スペシャリスト。右耳にメドエル社 オーパス、左耳に
ナイーダUPを装用。母国語のドイツ語の他、第2言語の英語も習得。

■今のお仕事は何ですか?

私はフォナックのスイス本社で FM 製品のテクニカルサポートの仕事をしています。フォナックは世界 90 カ国以上にあり、それぞれの国の担当者から寄せられる技術的な問い合わせに対応しています。

大学生のときの夏休みに、インターンシップでフォナックで働く機会があり、それがきっかけで大学を卒業してすぐにフォナックで働き始めました。

■いつから FM システムを使い始めましたか?

20 年以上前になりますが、小学校に通い始めたときから FM システムを 使っています。FM システムは先生の声を聞くのに非常に便利で、大切な存在でした。 ろう学校は自宅からすごく離れていたので、普通学校に通うことができて本当に良かったと思います。

■大学のときにも FM システムを使っていましたか?

実は大学 1 年生のときは FM システムを使っていませんでした。その理由はスイス は高校まで FM システムが無償で支給されるのですが、大学ではそれがないからで す。 そのため大学では常に一番前の席に座って集中して先生の話を聞いていました。 集中していれば先生の話を理解することはできたので、さほど問題ではありませんでしたが、 FM システムを持っていれば、教室の後ろに座ることができたんだろうなと思います。

■自分でFMシステムを購入したのはいつですか?

20 歳のときです。当時私は健聴の人と同じように外出だってしたいし、友達とたくさん会いたいと思っていました。 でもレストランなど騒がしい場所での会話が本当に難しく、 とても悩んでいました。 そこで自分用の FM システムを初めて購入したのですが、FM システムは私の生活を大きく変えました。特に騒がしい環境でのコミュニケーションが楽になり、行動範 囲も広がりました。実は FM システムのおかげで、女の子とデートできるようになったんですよ。

■FM システムを使う理由を教えてください。

私は補聴器や人工内耳だけでは聞き取りが難しい環境でいつも FM システムを使っています。 私はやりたいことは何でもやりたいし、難聴だからと言って自分の活動範囲を狭くしたくないのです。聞き取りが難しいバーやレストランに だって FM システムを持って行き、使っています。そうすれば友達の話がしっかり聞こえ、会話を楽しむことができます。

■どのように FM システムを使っていますか?

会社では 6 名以上の打ち合わせがあるときにテーブルの真ん中に私の送信機を置いて使っています。 誰かが前に立ってプレゼンをするときはプレゼンターに送信機を装着してもらいます。 そうすれば部屋の後ろに座っていても話を聞くことができるので本当に便利です。また社員食堂にも FM システムを持って行き、ランチを食べながら同僚の話を聞いています。

プライベートでもいつも FM システムを持ち歩いて、騒がしい環境で使っています。 例えば電車やバスなどの公共交通機関、バー、音楽のイベントや室内で大勢の人が集まるようなイベントで使っています。このような環境では話し手に送信機を持ってもらうのではなく、私が送信機を手で持って、話し手の口元に送信機を向けます。そうすると騒音がある場所でも聞きたい声をしっかり拾ってくれるので、とても快適です。

■その他

ベンさんはブログを書いています。こちらです。

FMストーリー(ベンさん)_No.1.pdf

 

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