聞こえのブログのロゴ

勇輝くん

勇輝くんは愛知県内の普通小学校に通う小学校4年生の男の子です。勇輝くんの FM ストーリーはお母様に書いていただきました。

勇輝くんの聞こえの環境を整えることはもちろん、周りで使ってもらう人のことを考えて色々な工夫をされていることがとても印象的でした。

それでは勇輝くんの FM ストーリー、お読みください!

インタビュー時期:2011 年 1 月

愛知県在住の小学 4 年生。コクレア社人工内耳フリーダムを装用している。学校の授業で FM システムを使用中。

1. 自己紹介をお願いします。

勇輝はとても心優しい、スポーツが大好きな小学4年生の男の子です。親の影響でバスケットボールが好きになり、現在は地域のクラブチームのミニバスケットボール部に所属して頑張っています。

2. 現在お使いの人工内耳を教えてください。

2005年1月にコクレア社の SPrint を使い始めましたが、その後、コクレア社フリーダムを使用しています。

3. 現在お使いの FM システムを教えてください。

送信機は最初、Campus SX を使っていましたが、現在はインスパイロです。受信機は MicroMLxS を使用しています。

インスパイロ

MicroMLxS

FM システムを使用するときは携帯型にしています。

4. FM システムを購入する前、FM システムについてご存知でしたか。

人工内耳を装用し始めた頃に病院の言語聴覚士の先生に FM システムがあることを教えてもらいました。当時は、人工内耳を使いこなすことが精一杯で FM システムの存在を知りつつも、特にアクションを起こしませんでした。

小学校では勉強が中心となってくるので、先生の声をできる限りきちんと届けられるようにしたいと思い、病院の先生に相談したときにFM システムの試聴をすすめられました。保育園のときと比べて小学校では一クラスあたりの人数が増えますし、先生の声が聞き取りづらい環境になります。勇輝にはしっかり先生の声が届けられるような環境を整えたいと思いました。

5. 初めて試聴したときの状況を教えてください。

初めての試聴は病院内の廊下で行いました。勇輝から5~10メートルほど離れ、話しかけました。薄暗い感じだったので、口の動きを読み取れる状況ではなかったのですが、私の話しかけや音に対する反応がとても良く、改めて FM システムの威力を感じました。FM システムを通して聞こえたときの一瞬輝いた勇輝の顔を見て、「聞こえるってすごい!」と思いました。是非使わせてあげたいと思いました。

6. フォナックの FM システムを選ばれた理由がございましたら、教えてください。

初めて試聴したのがフォナック社の FM システムでした。人工内耳メーカーのコクレア社様も病院の先生方もフォナック社を推奨していたので、疑う余地もなく、フォナック社を選ぶつもりでした。

7. FM システムを使っていて良かったと思うことを教えてください。

担任の先生による授業だけでなく、お友達とのディスカッションのシーンでも使用しています。小学校高学年になると、遠足や運動会、発表会などの学校行事での役割を決める話し合いの機会が多くなりますよね。そのときはお友達に送信機を装用してもらっています。FM システムを活用することで、他のお友達と同じタイミングで意見を述べることができ、同じ目線で学校生活を過ごせることは勇輝の大きな自信に繋がっています。またとても心強いのが担任の先生が FM 送信機の装用を忘れると、勇輝だけでなく、クラスのお友達も一緒に先生に注意をしてくれるようになっていることです。

8. 色々な方に使ってもらうにあたって、どのようにFM システムの使い方をお伝えしているのですか。

学年が進級する度に新しい先生に変わるので、その都度先生にお時間をいただき説明する場を設けています。その時には私が作成しましたお手製のマニュアルを元に説明しています。そのマニュアルは必要最低限の情報だけになっています。まずは、先生には毎日使用していただくことが大切なので、細かく記載していません。最初に色々お願いしてしまうと使用することに抵抗を感じてしまって、煩わしく思われたくないためです。その後は、勇輝から授業中の状況を聞いたり、授業参観や学校公開日などの使用状況を見たりして、先生が使い慣れた頃を見計らって必要に応じてアドバイスをしています。使用中、不安に感じたことや不明なことはどんなことでも構わないので、ご連絡をいただき、説明をして疑問を解消しています。

もう一つ、工夫したのはインスパイロの受け渡しがしやすいようにインスパイロを入れるポシェット型の袋を作りました。ポシェット型の袋は以前、ネットで検索をしていたら他の方がおすすめしていたのを参考にしました。先生以外に使用する対象がこどもなので、インスパイロが見えてしまうとボタンを押したり、触りたくなったりするのではと思い、あえてポシェットにインスパイロを入れて見えなくしています。

お手製のマニュアル

インスパイロを入れるポシェット型の袋

9. 勇輝くんは主に学校で使われているんですね。その他、別の場所でも使われていますか?

現在は学校以外での使用はありません。ただ、勇輝はミニバスケットクラブに所属している兼ね合いで、大会や交流会など試合に出場する機会も増えてきました。その際に、応援の声やボールをドリブルする音、バスケットシューズと体育館の床面がこすれた音などの音が大きく、監督やコーチの指示が聞こえづらいようで、ミニバスケットボールでの使用を検討しています。

10. FM システムを使って、難しいことはありますか。

低学年の頃は人工内耳プログラムのミキシング比を「3:1」にして送信機からの音が大きく聞こえるように設定していました。学年も進級してお友達の意見の発表も多くなる4年生からミキシング比を「1:1」へ変更しました。しかし同時に発言する声が聞こえづらいようで、クラス担任の先生は勇輝のことも考慮して「意見を発言する時は一人ひとり言いましょう!」と仰っていただき、少しずつですがその意識付けがクラスに浸透してきているようです。その後の個人懇談にて「勇輝くんのおかげで、クラスの一人ひとりがみんなの意見に耳を傾ける姿勢ができていて、ありがたいです。」と前向きなお言葉をいただき、先生とお友達が積極的に協力してくださる姿勢がとても嬉しく思いました。

11. 勇輝くんにとって、FM システムはどんな存在ですか?

勇輝にとって必要不可欠なアイテムになっています。あるのが当たり前になっているので、空気のような存在です。

12. FM システムの使用を検討されている方に伝えたいメッセージをお願いします。

人工内耳などでは聞こえに対して限界があると思います。特に大人数の中で生活する場合は特に FM システムの良さが分かると思います。是非試聴をしてみて、体験することをおすすめします。

 

カテゴリ別メニュー
聞こえに関する情報をお届けします