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こんなに進化!最新の補聴器 ー NHKテキスト きょうの健康 PR連載企画

昨年12月よりお届けしている「NHKテキスト きょうの健康 PR連載企画」の第5回目をお届けします!

補聴器をつけるとどのくらい聞こえるようになるのだろうかと気になる人が多いと思います。
しかし、最近の補聴器は大きく進歩し、雑音を除去したり、自動で音量を調整する機能なども搭載されています。さらにはスマートフォンと連動する補聴器も登場。補聴器の最新情報をお伝えします。

デジタル補聴器は小さなコンピュータ

補聴器はこの10年ほどで大きく進化しています。それはプロセッサ(ICチップ)の進歩によるものです。ICチップはとても小さなコンピュータで、大量のデータを記憶したり、複雑な処理を行うことができます。現在は、このICチップを内蔵したデジタル補聴器が広く普及しています。
デジタル補聴器は音をより聞きやすくするために、次のような機能をそなえています。
①会話音なのか雑音なのかを分析して区別する。
②音をいくつかの周波数帯に分けて、それぞれを分析・処理して、より聞きやすい音に加工する。
③特定の方向(一般的には前方)からくる音の感度を高めて聞きやすくしたり、どの方向から音がきているかを分析して聞きやすくする。
④無線機能を使うことで、テレビや電話の音を補聴器で直接聞くことができる。
こうした機能の中でも、もっとも進化したのが、雑音を抑制する機能です。正常な聴力の人でも、雑音の大きい環境では聞き取りにくくなりますが、難聴の人ではさらに聞きづらくなります。しかし、前述の技術を組み合わせた雑音を取り除く機能が向上したことにより、会話が聞き取りやすくなりました。

自動調整やスマートフォンとの連携も

ほかにもさまざまな機能が進化しています。そのひとつが、状況に応じて補聴器が自動で音量や音質を調整してくれるものです。たとえば、騒々しいところや静かなところによって自動的に音量(ボリューム)の調節をしたり、パーティーや1対1の会話などその場の音の環境を自動的に判断してあらかじめ設定した音質・音量のプログラムを切り替えたり、音楽を聞くためのモードに設定できたりします。
また、補聴器の使用状況を記憶・学習し、使うほどに聞き取りやすい音に自動調整する機能も登場しています。
さらに、スマートフォンと接続すれば、離れた場所の補聴器販売店から遠隔で補聴器の調整を行ったり、万が一補聴器を紛失した時に、補聴器の推定位置をスマートフォンに表示された地図上から探すことができる補聴器も登場しています。
このように補聴器は快適な生活のために進化を続けています。


Q 補聴器と集音器は違うもの?

A この2つはまったく違うものです。補聴器は厚生労働省が定める基準を満たして管理医療機器として認められていますが、集音器は認められていません。集音器は音を増幅させる機能はありますが、聞こえの効果や安全性が保障されていません。適切に調整し、効果を確認しながらトレーニングする補聴器とは異なるため*1 インターネット通販などで安価に購入することができるのです。

*1 2020年『きょうの健康』4月号に詳しく記載しています。

Q 補聴器の価格差はどこから?

A 補聴器は高価なものだと感じるかもしれません。また、価格差も大きいため、選ぶ際に不安に思う人が多いようです。実際、同じメーカーでも幅広い価格帯で商品を揃えており、数万円から数十万円の価格差があります。
価格差の理由のひとつは、ICチップの処理能力の違いによるものといえます。つまり補聴器に搭載された機能や性能の違いというわけです。機能・性能が高ければ価格は当然高くなります。
とはいえ、高価だからいいというものではありません。その人の聴力や使用目的によって選ぶことが大切です。なお、価格には補聴器の調整やトレーニング期間のフォローも含まれていることが一般的です。

 

※「NHKテキスト『きょうの健康』PR掲載より」

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