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1人でも多く、聴覚障害と共に活躍する方が増えるために

 

下校途中に事故にあった聴覚支援学校の児童

生まれつき聴覚障害があり大阪の聴覚支援学校に通っていた井出 安優香(あゆか)さん(当時11歳)が、2018年2月下校途中に「歩道に乗り上げた重機に轢かれて亡くなった事故」に関するニュースは、皆さまも既知のことと思います。

 

この件で、世間に衝撃を与えたのが

聴覚障害者の逸失利益は、健聴者の逸失利益の40%

というものでした。
※逸失利益:事故にあわなければ本来得られたはずの収入

 

これは裁判の中で、原告である両親ら

安優香さんは将来、耳が聞こえる人と同様に働くことができた
→耳が聞こえる人と同等な逸失利益

と主張したのに対し、事故を起こした被告側

聴覚障害者は
・コミュニケーションが困難
・思考力や学力が劣っている
・就職が難しい
→耳が聞こえる人の逸失利益の40%

と主張したものです。

昭和~令和へ:時代の変化と共に、難聴者を取り巻く環境も変化している

この件を受けて、「裁判でともに戦いたい」と全国から弁護士が集い、新たに弁護団が結成されました。

その弁護団の一人である 久保 陽奈(はるな)弁護士は、大学生のころから耳が聞こえにくくなり、難聴として一番重い聴力です。

「私を含めた難聴者に対する偏見」だと語る久保弁護士は、主に民事事件を担当し、依頼主の9割以上が耳が聞こえる人だといいます。

働く環境が、実際に変わってきている

音声認識技術の実用化が進んでおり、卓上マイクとのBluetooth®接続でリアルタイムに文字化してくれるアプリを使って仕事をしている久保弁護士。

ウェブ会議や裁判所の仕事でも活用されているといいます。

「聴覚障害者も音声認識アプリなどを使ってコミュニケーションして働き始めているし、それが普通になってきている。活躍できる機会が増える、広がる、というふうに環境が変わっていくと、賃金も上がっていく。

小学生であった安優香さんが働き始めるのはまだまだ先のことなので、それも併せて考えると、古い統計を前提に逸失利益を算定するのは違うのではないか。」

そう語っています。

1人でも多く、聴覚障害と共に活躍する方が増えるために

以下の動画の中で、久保弁護士も相棒として使用しているロジャー セレクト は、ロジャー送信機として補聴器に音を届けると同時に、Bluetooth®接続でスマートフォンに音声を送り、リアルタイムに文字化してくれる機能を持つ音声認識アプリを活用することができます。

フォナック補聴器の製品が、久保弁護士のように聴覚障害と共に活躍する方たちのお役に立てていることを励みに感じます。
これからも1人でも多く、きこえに問題を抱える方が活躍する機会や、人生の質を高める きこえがある生活をサポートしていけるよう、フォナック補聴器は取り組んでまいります。

 

井出 安優香さんのご冥福をお祈り申し上げます。

 

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