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サウンドリカバーのはなし

前回もご紹介したフォナック独自のテクノロジー「サウンドリカバー」。
おかげさまで話題沸騰につき、以前にもこのブログで取り上げましたが、
諸説誤解があります。中でも反響の多かった誤解をもう一度、解明します。

 

サウンドリカバー

【誤 解】 サウンドリカバーのノンリニア周波数圧縮方式と
周波数移動方式とは同じ方式である !?
→→ 答えは、 N O ! です。 フォント サイズ

□■ 根 拠 □■

確かに、両者とも周波数を低い方向へ移動させるということにおいては、
目的として同じです。しかし、その方法は全く異なります

周波数移動方式は、移動させたい全ての周波数帯域を、低い方へそれぞれ
等しく移動させる(リニア移動)方法なので、もともと移動せずに存在している
低い周波数帯域の信号成分と移動した成分が重なり合ってしまいます。

それに比べ、フォナックが採用しているノンリニア周波数方式は、
フォナック社とヒュー・マクドーモット教授らと共同開発したアルゴリズムです。
これは設定されたカットオフ周波数よりも高い周波数だけを、より聞き取りの
良い周波数帯域へ圧縮するものなので、低い周波数帯域と重なり合うと
いうことはありません

つまり、ノンリニア圧縮移動と周波数移動(リニア帯域移動)とは根本的に
大きな違いがあります

【誤 解】 サウンドリカバーは子供の聴能発達への悪い影響が懸念される!?
→→ 答えは、 N O ! です。 フォント サイズ

□■ 根 拠 □■

一般的に幼小児に対するフィッティングでは、いろいろな懸念事項が取り上げ
られています。(例えば、指向性マイクロホン、雑音抑制機能)
幼小児においてはたとえ中等度の難聴でも、正常な言語獲得や会話スキルの
発達に支障を来すことが実証されています。

問題は、高い周波数が聞き取れないことに起因する、摩擦子音の聞き取り
能力の発達の遅れです。*

サウンドリカバーを使用すると今まで聞くことが出来なかった高い周波数の音が
聞えるようになるので、音の世界が広がります。
Dr. Andrea Pittman(アンドレア ピットマン)も、高い周波数の情報が、摩擦子音の
発声や聞き取り、言語発達の速さに大きく貢献していることに言及しています。

サウンドリカバーは、聞き取れなかった高い周波数が聞き取れるようになる
ことで、むしろ、子供の聴能発達への貢献が期待されます。

*Stelmachowicz, P.G., Pittman, A.L., Hoover, B.M., Lewis, D.E., and Moeller, M.P. (2004).
The Importance of High- Frequency Audibility in the Speech and Language Developmentof Children
with Hearing Loss. Archives of Otolaryngology – Head & Neck Surgery, 130, 556-562

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