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マイフォナック ジュニア アプリを使用してセルフアドボカシーを学ぶ5つの戦略【オーディオロジーブログ】

マイフォナック ジュニア アプリを使用すると、お子さまは保護者や聴覚専門家のサポートを受けながら聴覚ケアに進んで参加することができます。

みなさまのもとに、補聴器の使い方を身につけようとしているお子さまはいらっしゃいますでしょうか?

子どもが自分に必要な聴覚ニーズを理解し伝えるようになるには何年もかかります。これは早い段階から始まり、たとえば補聴器の調子が悪いことを保護者に分かってもらうために、幼児が補聴器を保護者に手渡すことはその一例です。

そして手先が器用になると、子どもは補聴器を自分で装用できるようになりたいと思うようになり、また寝る前に補聴器を充電器に入れるなど簡単なケアを手伝うことができるようになります。さらに学校に通うようになると、子どもはアドボカシーに対するニーズが拡大し、責任感も強くなります。

もちろん、子どもが臆することなく自分の聴覚や補聴機器に関する意見を言えるよう務めるべきであり、その児の年齢や成熟度を考慮した上で尊重すべきです

このようなセルフアドボカシースキルの習得をサポートする方法はさまざまです。今回、著者はマイフォナック ジュニア アプリを試用してみました。このアプリは、少なくとも以下の5つの理由から価値のあるツールであると考えています。

1. 補聴器の使用状況を確認することが可能

マイフォナック ジュニア アプリでは、補聴器の平均使用時間が表示されます。装用時間の目標を設定することで、子どもは自分の状態を確認しながら、目標時間達成を目指すことができます。学校生活を充実したものにするためには一貫して聞こえることが重要であり2、子ども自身が補聴器の使用・管理に関わることで問題解決のための能力を身につける練習になります。

2. 電池の充電をプランニングすることが可能

マイフォナック ジュニア アプリでは、補聴器の電池の残量が表示されます。子どもは自分の補聴器を充電するタイミングをプランニングすることができます。これにより、補聴器が一日中使用できるようにフル充電されているか確認することが可能です。電池の状態をチェックすることで、子どもは補聴器のメンテナンス スキルを身につけることができます。

3. 聞き取り環境を認識することが可能

マイフォナック ジュニア アプリを使用すると、ノイズリダクションや指向性などの機能について学ぶことができます。これにより、子どもが自分にとってどんな環境が聞き取りにくいのか、そしてことばの指向性スライダーをどう調節すればよいかを理解することが可能になります。

4. 聞き取りにくい環境に合わせてカスタマイズすることが可能

マイフォナック ジュニア アプリを使用すると、音量・ノイズリダクション・指向性を調節することができます。そうすることで、子どもは聞き取りにくい環境でも自分の置かれた状況に合わせて各設定を自ら調節することが可能です。

5. 簡単なヒントやリモートサポートの使い方を学ぶことが可能

マイフォナック ジュニア アプリでは、子どもが補聴器のお手入れやトラブルシューティングを適切に行えるようになるためのヒントを提供しています。

その他にも簡単なヒントとして「補聴器の正しい使い方」、「補聴器の正しいメンテナンス方法」、「補聴器から音が出ない場合のトラブルシューティング」、「補聴器がハウリングする場合のトラブルシューティング」といった情報を提供しています。

さらなるサポートが必要な場合は、マイフォナック ジュニア アプリのリモートサポート機能を利用して聴覚専門家とリモートでつながることができます。そうすることで、リアルタイムで様々なサポートを受けることができます。

私たちのサポートで、子どもは強く自己主張できるようになる

聴覚を最大限活用するために重要なアドボカシースキルを子どもが身につけるためには、保護者とオーディオロジストが重要な役割を担っています。これは、Child-Centered Care(CCC)の考え方にも合致し、子どもが保護者やオーディオロジストから受ける聴覚ケアに積極的に参加できるようになります。

セルフアドボカシーを学ぶことで、子どもは下記のことができるようになります

  • 自分のスキルやニーズを説明する
  • 自分の目標を設定し、その達成に向けた計画を立てる
  • 誰にいつ、どうやってサポートを求めるべきかを知る
  • 意思決定とその結果に対する責任を全うする

保護者および子どもをサポートするために役に立つ資料(英語)をいくつかご紹介します:

マイフォナック ジュニア アプリについてさらに詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。

参考文献
  1. Söderbäck M, Coyne I, Harder M. The importance of including both a child perspective and the child’s perspective within health care settings to provide truly child-centred care. J Child Health Care. 2011 Jun;15(2):99-106. doi: 10.1177/1367493510397624. PMID: 21685225.
  2. Tomblin, J.B., Oleson, J., Ambrose, S.E., Walker, E.A., McCreery, R.W., & Moeller, M.P. (2020). Aided hearing moderates the academic outcomes of children with mild to severe hearing loss. Ear and Hearing, 41(4), 775-789.
  3. Hands & Voices (2014). Self-advocacy for Deaf and Hard of Hearing Students. Accessed June 4, 2022from https://www.handsandvoices.org/articles/education/advocacy/V8-4_selfAdv.htm

この記事は、2022年6月21日にPhonak Audiology Blogに掲載された記事を翻訳したものです。

著者:

Karen Muñoz (ユタ州立大学コミュニケーション障害・聾教育学科学 科長、教授)

Dr. Karen Muñozは臨床オーディオロジストとして17年間勤務し、オーディオロジスト専攻の大学院生の臨床指導を行いました。2007年より学術的なキャリアをスタートしました。彼女は、聴覚障害児の音声言語発達を促進/妨害する要因および保護者と聴覚専門家の理解に焦点を置いて、様々な研究を行っています。

Kali Markle (オーディオロジー学部 臨床助教、小児オーディオロジスト)

Dr. Markleは、クリニックで大学院生の指導と患者の診察に時間を費やしていますが、小児聴覚学に関連する大学院の授業も行っています。臨床では、出生から21歳までの子ども・青少年の診断評価を行い、補聴器/骨導補聴器/FMシステム/人工内耳などに関する研究を行っています。また、ユタ州立大学の研究者との共同研究を行っています。

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