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サウンドリカバーに関する10の誤解 ~その3

前回に続きまして、第3回目です。
今回も、サウンドリカバーに関する2つの誤解を解き明かします。

【誤 解④】
サウンドリカバーのノンリニア周波数圧縮方式と周波数移動方式とは
同じ方式である!?
→→ 答えは、 N O ! です。 フォント サイズ

□■ 根 拠 □■
確かに、両者とも周波数を低い方向へ移動させるということにおいては、
目的として同じです。しかし、その方法は全く異なります。

周波数移動方式は、移動させたい全ての周波数帯域を低い方へそれぞれ
等しく移動させる(リニア移動)方法なので、もともと移動せずに存在している
低い周波数帯域の信号成分と移動した成分が重なり合ってしまいます。

それに比べ、フォナックが採用しているノンリニア周波数方式は、フォナックと
ヒュー・マクドーモット教授らと共同開発したアルゴリズムです。
これは、設定されたカットオフ周波数よりも高い周波数だけを、より聞き取りの
良い周波数帯域へ圧縮するものなので、低い周波数帯域と重なり合うという

ことはありません。

つまり、ノンリニア圧縮移動と周波数移動(リニア帯域移動)とは根本的に大きな
違いがあります。

【誤 解⑤】
サウンドリカバーは、不快なアーティファクトを生じることがある!?
→→ 答えは、 N O ! です。

□■ 根 拠 □■
アーティファクトの発生度合いは、圧縮の程度にほぼ比例します。
軽中等度難聴では圧縮は最小にセットされ、実用上、殆どアーフィファクトの発生は
ありません。高重度難聴では、圧縮は幾分か強めにセットされますので、この音に
慣れていない正常な耳で聞くと、歪みのある音質に聞こえることがあります。

しかし、この程度の圧縮をかけないと、高重度難聴では、高い周波数成分の音を全く
聞き取ることができない、逆にいうと、この程度の圧縮は必要だというのが重要な
ポイントです。
正常な耳で聞いたときに違和感を感じることがサウンドリカバーを否定する理由
にはなりません。
なお、それぞれの聴力の程度に見合って、圧縮の程度が適正に設定されていると、
ユーザーが慣れるまでの期間が相対的に短くなるとともに、受容性も格段に良くなります。

サウンドリカバーの誤解は、クリアになってきましたか?
ぜひ参考にしてください。

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