補聴器メーカー6ブランドのエビデンス比較 【オーディオロジーブログ】

6つの主要な補聴器ブランドが公開している閲覧可能なエビデンスはどのくらいあるのか、第三者による分析が行われました。この調査結果はフォナックの熱心な研究への取り組みに光明を投じています。

毎日のように、広告はその新製品が如何に素晴らしいか、それを買えばどんなにいいことがあるのかを私達に訴えかけてきます。

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フォナックは常に革新し続けています。研究はその中でもきわめて重要だと考えています。私たちは、私たちの技術を裏付ける根拠を示すべきと考えています。研究を通じて、製品に搭載された新技術が本当に主張通り機能しているかどうかが証明されます。私たちは、聴覚専門家が自信を持ってユーザーにマッチした製品を勧めてくれることを願っています。

エビデンスといっても多種多様

聴覚技術の背景にあるエビデンスはさまざまなスタイルで発表されます。査読付き論文、専門誌の記事、実地調査報告、ポスター発表などが挙げられますが、研究論文の入手方法として一般的なのは各補聴器ブランドのウェブサイトです。

ウェブサイトでは、各ブランドのメーカーが各自の技術に関する最新の調査結果と臨床におけるベストプラクティスへすばやく簡単に導きます。簡単に閲覧できることも大事ですが、同じかそれ以上に研究の質と信頼性についても担保されるべきです。科学者たちは基本的に、中立的な立場である専門誌に掲載された記事はメーカー主導で調査、編集、発行したレポートなどよりも高い信頼性があると見なしています。

ブランドによって示すエビデンスに違いがある

第三者による分析では、6つの主要な補聴器ブランドが公表しているエビデンスの件数を調査しました。それぞれの専門家向けサイトと2つの専門誌、そして Audiology Online および Hearing Review に掲載されている研究論文の総数をまとめました。

ウェブサイトと専門誌で確認された合計 229 の研究論文のうち、フォナックが提供するものは78 (34.1%) ありました (図 1)。

図 1: 補聴器ブランド別の研究論文数 (2019-2022)

エビデンスは質が重要

中立的な専門誌の査読付き論文は、そうではない研究関連論文に比べて、その質に大きな隔たりがあります。聴覚分野において中立的な専門誌に科学情報を公開する際、科学的な厳密さが高く求められます。したがって、それらは今回の調査において抽出および計上された他の形式の資料よりも信頼性の高い研究結果であると見なされます。

分析の結果、聴覚専門家が閲覧できる中立的な査読付き論文のうち、フォナックのウェブサイトにリンクされているものが最も多いことがわかりました (図 2)。

図 2: 各補聴器ブランドの中立的な査読済み論文およびその他の研究関連論文(合計)
(2019-2022)

まとめると、これらの調査結果によって、フォナックが他の5つのメジャーな補聴器ブランドよりも (ウェブサイトと2つの業界誌を通じて) 聴覚専門家に多くの研究に基づく総合的なエビデンスを提供していることが示唆されました。ぜひこれらのエビデンスに目を通していただき、これからもユーザーに最適な製品を自信を持って勧めてください。

これらの調査結果の詳細については、Field Study News の全文をご覧ください（英語）。

フォナック UK の聴覚学およびトレーニング コーディネーターであるRichard Nealeに深く感謝の意を表します。今回の調査に先駆けて行われた彼の発案による調査でも非常に近似した結果が得られました。この取り組みが発端となって、フォナックは中立的なパートナーと共に調査を開始しました。

この記事は、2023年2月23日にPhonak Audiology Blogに掲載された記事を翻訳したものです。

著者：Jennifer Appleton-Huber（フォナック スイス本社 フォナック本社 テクニカルエディトリアル マネージャー）

Jenniferは2013年にフォナック本社に入社しました。それ以前は、主にイギリスとスイスで聴覚科学者として成人および小児（補聴器や人工内耳の分野）の臨床に携わっていました。マンチェスター大学にて聴覚学の修士号を取得しました。