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家族中心のケアによるカウンセリングの機会【オーディオロジーブログ】

家族を聴覚リハビリテーションに参加させることは、関係者全員に利益をもたらします。

「家族中心のケア」という原則を私の診療に取り入れることは、常にやりがいのある経験でした。私はニューヨーク市の多忙な診療所で働いており、補聴器やその他補聴援助機器を含むリハビリテーションサービスを提供しています。私は自分のサービスをリハビリテーションの「カウンセリング アプローチ」と呼んでおり、患者には毎回、患者の家族や友人を同伴してもらうことにしています。

家族にリハビリテーションのプロセスに参加してもらうことは、想像以上に大きなメリットがあります。これまで補聴器の評価と考えられていたものが、コミュニケーションの強化、関係の構築、そして関与のプロセスへと変換されるからです。

病歴フォームを使用する代わりに、患者とそのご家族を含んだコミュニケーションパートナーの視点からの語りを用いることで、標準的な問診からは得られない、より多くの情報が得られます。

その結果、患者、家族、臨床医が目標を共有し、より良い結果を得て、より満足できる臨床関係を築くことができます。

家族中心のケアを促進するためにできること

次回、補聴器の評価をする予定があるときは、予約時に誰かと一緒に来てもらうように患者に伝えてください。新型コロナウイルス感染症のパンデミック以来、私たちは皆、リモート会議をより快適に感じるようになりました。そのため、市外に住んでいる場合や仕事を離れることができない場合は、家族をリモートでセッションに招待してみてください。聴覚相談の予約時間に家族が到着したら、待合室に行き、家族に挨拶をしてから診療所へ迎え入れましょう。

可能であれば、大きなデスクの後ろではなく、テーブルを囲むか輪になって座るようにオフィス内をアレンジしてください。そして患者とそのご家族には、聞こえに関して上手くいっていることや課題と感じていることについての話し合いに参加していただきましょう。そして、自由形式の質問をしてください。その際に最も重要なのは、その答えに耳を傾けることです。

患者と家族の発言を探求し、彼らの感情や懸念に対処してください。この時はオージオグラムをしまって、会話に参加しましょう。彼らはオージオグラムで分かることよりも、自分の難聴について知っていることの方が多いはずです。従来のテクニックよりも時間がかかることはないでしょう。ただし、結果は大きく異なります。

患者と家族はあなたが話を聞いてくれることに感謝し、あなたの意見を尊重するでしょう。そのような治療的関係を築くことは、すべての人にとって有益です。患者、家族を含むコミュニケーションパートナー、そしてオージオロジストにとって、Win-Winの関係を築くことができるのです。


この記事は、2023年7月25日にPhonak Audiology Blogに掲載された記事を翻訳したものです。

著者:Joseph Montano(アメリカ ワイル・コーネル医科大学 臨床耳鼻咽喉学 聴覚学教授)

ワイル・コーネル医科大学の臨床耳鼻咽喉科の聴覚学教授であり、コーネル ヒアリング・アンド・スピーチセンターのディレクターでもある。また、フォナックの家族中心のケアに関する専門家サークルのメンバーでもある。

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