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Roger(ロジャー)のメリット(その1) こども達のメリット

全く新しいデジタルワイヤレステクノロジーを利用した新しい補聴援助システム”Roger(ロジャー)”、今回はRogerのメリットを紹介します。


Rogerのメリットは、「Roger(ロジャー)とは?(その1)」で3つある事をお話しました。
  1.騒音下での聞こえがダイナミックFMよりも更に向上
 
  2.マイク(送信機)、受信機、線音源スピーカーの全てがボタン一つで繋がる

  3.チャンネル干渉なし


1.騒音下での聞こえがダイナミックFMよりも更に向上

  まずは一つ目のメリットです。
  聞こえが向上するということで、これはRoger受信機を使用するこども達にとっての大きなメリットです。

  下のグラフはアメリカのオージオロジスト(Professor Linda Thibodeau, PhD)の論文から抜粋したものです。
  

Comparison of speech recognition with adaptive digital and FM wireless technology by listeners who use hearing aids

  横軸が室内の騒音レベルで、縦軸が言葉の聞き取りテストのスコアです。

  比較した補聴援助システムは3種類。
   ① 日本では2007年度に発売されたマルチ・チャンネルFM
   ② 騒音レベルによりFM音量の比率を自動的に大きくし、騒音下でも一定のSN比を確保できるダイナミックFM
   ③ Roger

  この3種類の補聴援助システムを使った時の、65 dB、70 dB、75 dB、80 dBの4つの環境での聞き取りテストの結果が棒グラフで示されています。
  もちろん被験者はどの補聴援助システムを使っているのかは分からない状態でテストを受けています。

  結果を見てみると、65 dBの時はそれ程大きな差は認められませんが、75 dBの騒音レベルでマルチ・チャンネルFMとRogerで54ポイントの改善が見られます。
  また80 dBの騒音レベルではダイナミックFMと比べても35ポイント改善しています。

  ちなみに75 dBは小学校1年生の平均的な騒音レベルと言われています。
  この騒音レベルは平均値なので実際には90 dBを超えることもしばしば、補聴器、人工内耳をつけている子供たちにとって過酷な環境であると言わざるを得ません。
  その様な環境で聞こえが54ポイント改善と言うのはかなり大きいと思います。


これだけの改善が出来る理由は?みなさん疑問に思いますよね。

一番大きな理由は、FMシステムではアナログ処理だったのが、Rogerではデジタル処理が可能となったことです。
補聴器でもアナログからデジタルになった時に、騒音抑制やハウリング抑制など従来出来なかった様々な音声処理が出来るようになりましたよね。

FMシステムでは、FMマイクに入る騒音を出来るだけ少なくし、可能な限り話者の声だけを補聴器/人工内耳に送ることがポイントでした。

Rogerでは、マイクロホンに入り込んだ騒音自体もデジタル処理で取り除くことが可能となったため75 dBや80 dBと言った騒音レベルでも今まで以上のSN比の改善が可能となりました。
また、デジタルになったことで、音質そのものも向上している他、ワイヤレスマイクもソフト的に向上し、左右から入り込む騒音も限りなく少なくすることが出来るよ
うになりました。

騒音下での聞こえに関してFMの限界を超えたことがRogerの一番大きなメリットになります。

  
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