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Roger(ロジャー)とは?(その3) BluetoothとRogerの違い

前回はBluetoothやRogerで使われている周波数ホッピングの仕組みについて説明しました。

今回はBluetoothとRogerの違いを説明します。

Bluetoothが集団補聴システムに使えない理由が2つあります。

① 受信機の台数制限(最大3台)
  片耳装用のユーザーでも最大3人しか使えません。
  両耳装用のユーザーの場合は、1人で2台なので、最大2人しか使えない
  ことになります。
  特別支援学校や特別支援学級で使用するには足りないですね。

② 遅延と音声周波数帯域
  Bluetoothは、ヘッドセットプロトコルでは遅延が10~15 msと聞こえに
  大きな影響はありませんが、音声の周波数帯域が4 kHzまでと制限
  されています。
  ハンズフリープロトコル(ver. 1.6)のワイドバンドスピーチを利用すると
  7 kHzまで、またA2DPプロトコルを利用すると20 kHzまで音声の
  周波数帯域を広げることが出来ますが、遅延が100 msを超えるため、
  口の動きと聞こえる音にずれが出てきます。
  携帯電話で相手の顔を見ないで会話するときや、音楽を聴くため
  なら問題ありませんが、授業で使用するのは難しいですね。

Rogerでは、集団補聴システムとして問題なく、かつ今までのFMシステムよりも更にメリットが出るように、0ベースからマイクロチップの開発がされました。

Rogerのマイクロチップ

① 受信機の台数
  Roger送信機1台に対しRoger受信機は制限がありません。
  生徒が何人いてもRoger送信機からの声が届きます。

② 遅延と音声周波数帯域
  Rogerマイクロホンに音声が入力されてから補聴器/人工内耳から
  音声が出るまでにかかる時間は25 msです。
  また、音声周波数帯域も100~7.2 kHzとFMシステムの100~6 kHz
  よりも更に広くなりました。

次回はRogerを理解する上でポイントとなるネットワークIDについて説明します。

  

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