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Roger(ロジャー)とは?(その2) 周波数ホッピング

前回、Rogerとは?(その1)では、Rogerが2.4GHz帯を利用した新しいデジタルワイヤレステクノロジーを用いた次世代補聴援助システムであることをお伝えしました。

今回は、その新しいデジタルワイヤレステクノロジーがどの様な物であるかを少し説明します。
少し専門的なのですが、知っておくとFMシステムとの違いを理解する上で役立つと思いますのでお付き合いください。

さて、2.4GHz帯は、国内では10mW以下の出力であれば免許不要で利用できるよう開放されている帯域で、産業、科学、医学用の機器で広く利用されており、「ISMバンド」(Industry Science Medical band)とも呼ばれています。
私たちの身の回りにある製品では、Bluetooth(ブルートゥース)や無線LANが一般的です。Bluetoothをご存知ない方もいらっしゃると思いますが、最近は殆ど全ての携帯電話にBluetoothの機能が搭載されていて無線のイヤホンマイクやヘッドホンを利用できるようになっています。

右の写真はiPhoneの設定画面です。

メガネを横にしたようなBluetoothのロゴとBluetoothの表記がありますね。

Bluetoothでは、周波数ホッピングという無線方式が採用されています。
周波数ホッピングは元々は軍事目的で開発された技術で、ノイズや干渉に強く、また秘匿性に優れるという特徴があります。
なぜ干渉しにくいのか?というと、まず送信機で音声データをアナログ信号からデジタル信号に変換します。
デジタル化されたデータは小間切り(小間切りにされたデータをパッケットと呼びます)にされ、79個のチャンネル間にバラバラに送信されます。
下の図の縦軸が周波数(79個のチャンネルがあります)、横軸が時間です。
データは1秒間に1600回というものすごい速さで79個のチャンネル間を飛び回ります。
その際、送受信機間では、どのタイミングでどのチャンネルにパケットを飛ばすか(ホッピングパターン)が分かっています。
ちなみに、ホッピングパターンが異なる機器間ではデータのやり取りができません。
Bluetooth機器を初めて使う際に必要となるペアリングは、このホッピングパターンを認識し合う操作なんです。
Rogerでも使用している基礎技術は周波数ホッピングです。
ただ、Bluetoothでは不可能であった集団補聴を可能にするため、RogerではBluetoothでは出来なかった幾つもの課題を克服しました。
次回(その3)では、BluetoothとRogerの違いを説明します。
(なんだか授業みたいになってきましたね…)
  
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