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きこえの豆知識シリーズ -両耳聴取の利点 その4 両耳の冗長性

聞こえとは関係ない話から。
両眼に視覚低下があり、それぞれの見え方が異なる人がいると想像してください。
左眼は周りが真っ暗で管状視野で見えており(網膜色素変性の可能性)、
右眼は周りは問題なく真ん中だけ完全に見えていません(黄斑変性の可能性)。
片眼だけを使うと視界はかなり限られてきますが、
学説では物体の認知力が高い目の真ん中が色んな図を一つにまとめ上げているので、
このようなケースでも、両眼で見ればほぼ全体像で見ることが出来ると言われています。
これは、両眼の視覚システムにおける冗長性(欠けた部分を補完する機能)のお話です。
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この効果は、聴覚システムでも同じように両耳冗長性として現れるといわれております。
片方の耳で聞きもらした場合でも、もう片方の耳で聞き取った情報を“手がかり”として
聞き取り、理解するというメカニズムになっています。
両耳冗長性の有利な点は、それぞれの耳(両耳)が音声信号の中にある情報を
拾い得ることができることで、片耳だけで聞く場合と比較するとこの点が異なり、
騒がしい中では聞き取りの差が顕著に現れるとも言われています。
 
脳が左右別々に機能するのと同じように、耳も同じように左右別々に機能するようです。
 
・Dillon A. (2001). Beyond usability: process, outcome and affect in human-computer interactions.
Canadian Journal of Library and Information Science, 26(4), 57-69.

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