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きこえの豆知識シリーズ -両耳聴取の利点 その5 両耳での情報比較

先のブログで記述しましたが、両耳で聞き取ることで音源定位がしやすくなり、
聞きたい音に集中しやすくなる効果があります。
こちらから、以前のブログをご参照ください)
11ear
この効果についてもう少しお話しします。
とはいっても、この分野の研究は未証明の部分が多くあるようなので、
現在明らかになっている情報のみとなりますことをご了承ください。
 音は空間中に(聞き手の左右)到来すると、まず初めに片側の耳に届きます。
ここで両耳間における位相とタイミングに差が生じます。
このように、
同じ音源の音であっても、
両耳でとらえる音の情報はほんの僅かではありますが
異なります。

この左右の耳で異なった音情報を用いて、

両耳における相互相関が得られるような仕組みになっています。
両耳で聞き取ることで、両耳間相互相関(ICCs)、両耳間位相差(ITDs)、
両耳間レベル差(ILDs)の情報を得ることで、SN比の悪い聞き取りが困難な環境でも、
人はそれぞれの耳に届いた信号スペクトルプロファイルを細かく比較して
聞き分けているそうです。
聞きたい音の手がかりをつかむには、やはり両耳での聴取が必要であるようです。

・Akeroyd M.A. & Summerfield A.Q. (2000). Integration of monaural and binaural
evidence of vowel formants. Journal of the Acoustical Society of America, 107(6),
3394-3406.
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