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Rogerを検討されている保護者の方へ

Roger(ロジャー)は、補聴器や人工内耳と一緒に利用して、騒音下での聞こえを向上させる補聴援助システムです。
 
■Roger(ロジャー)はなぜ必要か?
補聴器や人工内耳を利用することで、聞こえは大幅に改善します。
しかし、補聴器や人工内耳だけでは聞き取りが難しい環境がとてもたくさんあります。
補聴器や人工内耳だけでは聞き取りが難しい環境とはどんな環境でしょうか?
大きく分けると、下の3 つの環境は聞き取りが難しい環境です。
・話し手と聞き手の距離が離れた環境
・周りに騒音がある環境
・反響音が発生する環境
 
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聞き取りの難しいこのような環境は、どこにあるでしょうか?
学校の教室は、まさにこの環境になりえる場所です。
学校では、先生が話し手になり、生徒が聞き手になります。
先生と生徒の距離は必ずしも近くはなく、周りの生徒や外からの騒音がある環境です。
また反響する教室も少なくはありません。
学校での一番の目的は、先生の声をはっきり聞き、新しいことを学んでいくこと。聞き取りが難しい環境は改善しなくてはいけません。
 
■Roger(ロジャー)の概要
Roger(ロジャー)は、電波を送信する送信機と、電波を受信する受信機があります。
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送信機には、必ず話し手の声を拾うマイクロホンが搭載されています。
マイクロホンに向かって話した内容が、電波を使って受信機へ届きます。
送信機のマイクロホンは口元に近づけて利用します。その声は電波を使うため、話し手と聞き手の距離、周りの騒音・反響音の影響を受けることなく受信機に届きます。
つまりRoger(ロジャー)を使っていれば、常に耳元で話しかけていることと同じ状況を作り出すことができるわけです。
 
■Roger(ロジャー)の効果
前章にも記載しましたが、Roger(ロジャー)を正しく利用することで、聞き取りが難しい環境であっても、まるで耳元で話しかけているような環境を作り出すことができます。
その結果、Roger(ロジャー)を使うことで、学校の教室など補聴器や人工内耳だけでは聞き取りが難しい環境を、聞き取れる環境へ変えることが可能です。
下の図の横軸は、教室の騒音レベル、縦軸は文章の聞き取りテストでの点数を表しています。緑がRoger(ロジャー)、青と赤が広く普及しているFMシステムを利用した時のスコアです。Roger(ロジャー)は、FMシステムよりも騒がしい環境下での聞き取りが向上します。
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普通小学校低学年の教室の平均的な騒音レベルは、75 dB前後と言われていますので、こういった環境では、Roger(ロジャー)は利用しなければいけない機器ということがわかります。
 
■Roger(ロジャー)の可能性
Roger(ロジャー)は幼稚園、小学校時代は言語を獲得するための必須の機器と言えます。
この時期は、毎日が新しいこととの出会いで、先生をはじめ多くの声や音を聞くことで言語を獲得していきます。
ただし、Roger(ロジャー)は、この時期だけで利用するものではありません。
その後の教育にももちろん必要不可欠なものとなりますし、大学、社会人になっても聞き取りが難しい環境を改善し、自立するためのとても大切なツールです。
Roger(ロジャー)は、その使い方が年齢とともに少しずつ変わってくるのも大きな特徴です。
ヨーロッパやアメリカなどRoger(ロジャー)が当たり前のものとして利用されている国々では、下のイラストのように年齢に応じて使い方や目的が変わってきます。
 
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こども自身にRoger(ロジャー)の重要性を感じさせることはとても大切です。
Roger(ロジャー)を使うことで今まで聞き取りが難しかった環境が大きく変わるからです。
幼稚園、小学校を卒業した後も継続してRoger(ロジャー)を利用し、多くの経験をすることは本当に大切なことです。そのためにも、なるべく様々な場所でRoger(ロジャー)を利用してください。
 
上記内容に加え、機器のチェックリストをPDFにまとめましたので是非ダウンロードして活用してください。
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