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ロジャーとその他の補聴器/人工内耳用ワイヤレスマイクロホンとの違い

ここ数年、補聴器や人工内耳と一緒に使えるワイヤレスマイクロホンが増えてきました。
それらのマイクロホンはロジャーと同じデジタル方式ということもあり、「互換性はあるのか?」、「どちらを選択したらいいの?」といった質問も多く寄せられるようになってきました。この記事で両社の違いについて説明します。
少し長くなりますが、”こどもの聴こえ”にとってはとても重要なことなので是非最後までお付き合いください。
 
特に学校で使用するワイヤレスマイクロホンを選択する際のポイントは3つあります。
1.マイクロホンの指向性
補聴援助システムと呼ばれるこれらのワイヤレスマイクロホンは、騒がしい教室で先生の声をしっかりと聞き取るために使われます。
マイクロホンには360度全ての方向からの音を集音する”無指向性マイク”と、口元の方向からの音を集音する”指向性マイク”があります。
当然のことながら”無指向性マイク”は、マイクを着けている先生の周りの騒音も拾ってしまい、先生の言葉が騒音と重なってしまうため騒がしい教室ではマイクロホンの効果が限定されてしまいます。
”指向性マイク”は先生の顔の方向の音を優先的に拾うので、周りの騒音よりも先生の声をより集音してくれます。
補聴器や人工内耳本体のマイクロホンは、指向性は当たり前の機能となっていますね。
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2.自動音量調整機能があるかどうか
学校での聞こえで重要な事は、教室内の騒音レベルが大きくなったときに先生の声がしっかり聞こえるかということです。
通常、先生のマイクからの音と、補聴器/人工内耳のマイクからの音の比率は一定であるため、静かな部屋では効果のでる補聴援助システムも、騒がしくなってくると補聴器/人工内耳のマイクロホンが騒音を拾ってしまうので、当然のことながら先生の声は聞き取りにくくなります。
この問題を克服したのが2008年に国内に登場した”ダイナミックFM”と呼ばれるFMシステムで、部屋の騒音レベルが上がると、補聴器/人工内耳のマイクからの音を小さくして、FMマイクからの先生の声を大きくしてくれます。この機能はとても画期的で、特に普通学校や難聴学級に通うお子さんには必須の機能となっています。
ちなみに自動音量調整ありの製品には、”ロジャー”や”ダイナミックFM”があります。
自動音量調整が無いのは、”マルチ・チャンネルFM”、その他の”ワイヤレスマイクロホン”です。
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3.騒音抑制
指向性マイクロホン、自動音量調整機能でも教室の騒音が大きくなれば、先生の顔の方向からも騒音が入ってくるのでやはり言葉の聞き取りが難しくなってきます。
そんな時に活躍するのが騒音抑制です。先生のマイクロホンが部屋の騒音を拾ってしまってもデジタル処理で騒音を取り除き、できる限り先生の声のみを補聴器/人工内耳に届けます。
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下のグラフは、指向性&自動音量調整あり&騒音抑制ありの”ロジャー”と、無指向性&自動音量調整なしのワイヤレスマイクロホンの騒音下での言葉の聞き取りの比較資料です。
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騒がしくなればなるほど違いが大きくなっているのが分かります。
普通小学校の低学年の平均的な騒音レベルが75dBあることを考えると、この3つのポイントを押さえている”ロジャー”が必須であることが分かるかと思います。
 
資料のPDFデータはこちら
 

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