聞こえのブログのロゴ

難聴を持つ人との会話で気を付けてほしいこと

フォナックがグローバルで展開するサイト「Hearing Like Me.com」よりブログ記事をピックアップしてご紹介します。

フォナックのアンバサダーで「ナイーダV」の愛用者であるステファニ・キャメロンさんの記事です。

ece7a042d3b67ac4d314b6ab8a8f669b

Steffani Cameron (ステファニ キャメロン)
カナダ バンクーバー出身のライター、写真家。完全なノマドとして活動するため、5年前に所有しているものすべてを売り払い、現在、世界中を旅している。インターネット回線のある場所が彼女の職場。2歳より補聴器を装用している。

ブログ(難聴を持つ人たちとの会話で気を付けてほしいヒント)

  難聴者と聞くと、多くの人は「大声で話せばいい」という認識でいると思いますが、それは必ずしも正しいとは言えません。問題は音量ではない場合があります。もしかしたら、はっきりと話していなかったり、口元が隠れてしまって声がくぐもっているかもしれません。早口で話したり、イントネーションが少しおかしかったことが原因かもしれません。でも、会話をするには距離がありすぎる場合、大きな声が必要です。
あなたの難聴の友人が、あなたに対して「もう一度言ってくれる?」と聞き返すとき、背景にはいくつかの理由が考えられます。難聴者の人と話すためにちょっとしたコツを紹介します。
 
言い直すコツ
 
あなたが難聴のある友人と話していて、相手がぼんやりした表情だったりあまり興味がなさそうだと感じたら、聞こえていない可能性があります。たぶん、あなたは早口でしゃべっていたり、相手に対してアイコンタクトをしていなかったり、もしくは他のことをしながら話しているかもしれません。
その友人から「もう一度言ってくれる?」と聞き返されたとき、もっとも注意すべきは、同じことを同じ声の大きさで同じように言い直すことです。
「もう一度」とお願いして、それでもどうにもならなかったら、次からは聞き返すことはしなくなるかもしれません。徐々にあなたの話に関心を示さなくなるかもしれません。
もし、あなたが聞き返しに対し、普段まったく同じ言葉を繰り返しているようなら、関係性に問題が出てしまうことがあるかもしれません。なぜかって、あなたの無意識の行動が残念なことに「今なんて言った?」と言わせる状況を作り出してしまっているかもしれないからです。
そういうときは、ぜひ、別の言い方を試してみてください。アイコンタクトもお願いします。明瞭な発話を心掛けてください。極端にゆっくり話す必要はありません。私たちは言語獲得中の6歳児というわけではなく、あなたが話す言葉をキャッチしにくいだけなのですから。
聴覚に障害を抱えている人は、補聴器と、話者の口の動きを読むことで聞こえを補っています。話し始めるとき、あなたが難聴の友人にアイコンタクトをしてくれたら彼/彼女はあなたの口元を見つめるでしょう。できるだけ言葉を明瞭に発音することを心掛けてください。そうすれば、ふつうの速度で話をしても大丈夫です。
 
もし、それでも伝わらなかったら
 
あなたがアイコンタクトを忘れず、もっと明瞭に話すようになっても、話している間、口元が隠れてしまっていたら、音量の問題が生じるでしょう。
これは「補聴器の音量をもっと上げたら?」という問題とは少し違います。補聴器を装用していると、周りの人からよく言われますが、このセリフを聞くたびにやるせなく思っていたりするのです。
口元が隠れてしまっているときは大きめの声で話してください。怒鳴る必要はありません。もし、トラックが音を立てて通ったりサイレンの音が聞こえてきたり、大きな音がするようだったら、騒音が過ぎるまで話すのを少し待って、言い直してみてください。騒音があるときはあなたの声は聞こえません。声の大きさ、言葉の明瞭さ、アイコンタクト。これらが聴覚障害者への会話をする上で3つのポイントとなります。
 
座る位置や距離の問題
 
大きな部屋を横切ったり、もう一つの部屋にいたり、庭の反対側にいたり。そんなときは同じ場所から言葉を繰り返してもあまり役には立ちません。まずは距離を縮めること、そこで言い直すか会話を新しく始めてください。
補聴器装用者の後ろに座っているときも困難です。新しい技術は後部座席からの音に対する聞こえを改善していますが、でもまだ少し難しいところがあります。特に車の移動中の会話は大変です。フォナックのロジャーペンのように最先端技術で流れを変えてくれたものもありますが、多くの人にとって、車の中での会話で最も有効になるのは大きな声で話す、明瞭に話すことです。どこにいても、難聴者とは顔を見ながら話すことができたなら、それがいちばんです。言葉をいちばん聞き取りやすく、アイコンタクトができ、あなたの口元を読むことができるからです。
 
聞こえにくさを改善するために
 
もしかしたらヘンに思ったり、おかしいなと感じるかもしれませんが、私の友人が話しているとき、私が眉を寄せていることに気づいたら、話をやめ、私を見てそして「ねえ、私の話聞いてる? 大丈夫?」と聞いてもらえるとうれしいです。
他の人はどうしているかわかりませんが、このように質問されたとき私はこう答えます。「聞こえているんだけどね、でも話し方がちょっと早いからついていくのが大変かな」。難聴者も長い時間をかけ自分の状況を改善しているのです。
 
もう一度、言葉をくり返すなら
 
一言一句その通りに繰り返すことは、まったく聞こえていないときなど、ある状況においては有効です。もし、相手が眉を寄せていたり、繰り返した言葉に当惑している表情が見て取れたら、それが答えになります。別の言い方を試してください。もちろん、明瞭に正しく発音する、ということもお願いします。
 
聞き取りの難しい環境があります
 
私はもう何年も同じことで難聴者が不平を繰り返しているのを聞いています。個人的にはナイーダVを愛用していて、聞こえの状況は改善しているのですが、それでもいまだにストレスとなる聞こえの状況、例えば、交通量の多い場所などがあります。そのような場所で人の声を聞き取ることは苦手です。解決の難しい状況がまだたくさんあるのです。
難聴を抱える友人や家族が問題を抱えていそうだったら、シンプルに質問してください。「私の言葉がもっと良く聞こえるために、何かできることはある?」
中には自分の難聴を話題にすることを快く思わない人もいるのですが、気の利いた質問で彼らの気持ちを軽くすることもできると思うのです。
 

カテゴリ別メニュー
聞こえに関する情報をお届けします