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国立長寿医療研究センターの記事ご紹介/『加齢に伴い成熟していく知的な能力と難聴の関係』

日本は世界で超高齢社会として注目を浴びています。(WHOや国連の定義で、総人口のうち65歳以上の高齢者が占める割合が21%超えた社会。)
超高齢社会について考えるとき、ついつい加齢によっておこる「良くない変化」に目を向けがちです。国立長寿医療研究センターの研究から、人が持つ「知的な能力」のうち、「情報処理の力」は50代中ごろをピークに低下するが、「知識力」については70台を境に緩やかに低下しても、90代の時点で40代よりも高い得点を示すことを発表していて、高齢になっても、このような能力を大切に伸ばすことがとても重要だとしています。

高齢社会に伴い問題が浮き彫りになってくる状態として「認知症」についてもこの「知的な能力」との関係性が同センターにより発表されています。(※認知症とは医学的にはまた診断が決められず、原因もはっきりしていない状態のことを表していて、(https://info.ninchisho.net/mci/k10 参照)上記ページによれば、認知症という症状にはいくつかの種類、アルツハイマー型認知症、脳血管型認知症、レビー小体型認知症があり、60%がアルツハイマー型のため、一般的に認知症=アルツハイマーと認識されているとのこと。またその症状には段階があり軽度の認知障害にあたる段階にある患者さんの数は高齢者が増えるごとに増え、2025年には約1300万人=65歳以上の3人に1人が認知症患者とその予備軍になるといわれています。)
 
国立長寿医療研究センターでは、認知症のうち、いわゆる「知的な能力」の低下に、外から入ってくる情報が難聴によって少なくなることで影響を受ける可能性を推察していますが、聴力については補聴器を活用しての認知機能の予防についてはまだ結論はなく、世界中で現在行われている研究を待つ必要がある としています。記事はこちらからどうぞ。
 
認知症といえば、難聴者の方とかかわる機会の多い補聴器業界では、厚生労働省が作成したオレンジプランの中に認知症の原因の1つに難聴があげられているため、いかに難聴を予防・緩やかな変化にするか 我々ができることについてよく議論されます。(※オレンジプランとは認知症の啓蒙も含めた、医療・介護・介護予防・住まい・生活支援を包括的にケアするための戦略です。(https://info.ninchisho.net/mci/k90 参照))
 
補聴器や補聴援助する機器を扱うものとして、認知症と難聴の関係についてはより、深く知る必要があり、これからの研究結果を待ちつつ、今確かなこと=補聴器や補聴援助の機器が聞こえに課題を抱える方の問題を解決するお手伝い、解決策の1つであることを確かな情報と共に提示していくことが大事だと改めた記事の紹介でした。

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