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こどものイヤモールドを選ぶときに気をつけたい5つのこと

フォナックが、世界中の聞こえに関する情報をブログで紹介している“Hearing Like Me”というページに興味深い記事がありましたので、翻訳してシェアいたします!
元の掲載記事はこちらからどうぞ。


私の息子のイヤモールドの始まり
一際目を引く色鮮やかな補聴器を初めて見た時のことを、今でもはっきりと覚えています。
息子のサッカーの試合を観戦していた時、フィールド上で一際目立つ選手がいました。彼が目の前を走り去った時、彼の耳に、鮮やかな青色のイヤモールドが見えました。
彼の並外れたサッカースキルだけでなく、彼の補聴器に取り付けられているイヤモールドにとても驚きました。私の息子が初めてイヤモールドを作った時、それまでカラフルなイヤモールドを実際に見たことがなかった私は、無難な透明のイヤモールドを選びました。ですが自信溢れる彼を見て、私と息子は青いイヤモールドを作りに行こうと決めたのです。
あの日から今まで、こどものイヤモールドを何度も作ってきました。そんな私から、イヤモールドを作る際のヒントをお伝えします。
∗ イヤモールドとは?
イヤモールドとは補聴器に着ける耳の形に合わせた耳せんです。こども用のイヤモールドは主にシリコンの素材で作り、その一つ一つはオーダーメイドです。
イースター・シールズの聴覚の専門家であるベス・ロザレスによれば、それぞれの素材には優れた点もあれば、いくつかの欠点もあります。
柔らかい素材はこどもが快適に過ごすために必要です。赤ちゃんは抱っこされたり地面を転がったり、こどもたちは遊びまわりますよね。それはつまり、こどもたちの耳には何かと衝撃が多いということです。なので、柔らかい素材でイヤモールドを作ることがとても大切なのです。
様々な種類のイヤモールドがありますが、多くの医師が勧めるのはオーダーメイドのフルシェルのイヤモールドです。
私のこどもたちにとって、カラフルなイヤモールドを選ぶのは楽しいことであると同時に、自信を持つ経験でもありました。自分の補聴器のイヤモールドの色を選ぶことは、楽しいだけでなく、自分の補聴器を自分で大切にするという自主性を育てたのです。


こどものイヤモールドを作る際に気を付けたい5つのこと
1、自分だけの特別なイヤモールドを目立たせよう
昔は、補聴器の色といえばベージュのようなあまり目立たない色が主流でした。ですが今では、フォナックには1,000以上の組み合わせがある小児用補聴器があります。さらにステッカーを貼ったりすれば更に自分仕様になります。ですが、自分にとって完璧な補聴器を作るのはそこでは終わりません。鮮やかな色のものやスワロフスキーでのデコレーションや、ラメを加えたりすることができるオーダーメイドのイヤモールドの可能性は無限といえます。
上の子が初めて補聴器を買ったとき、私たちはフォナック スカイQの青とグレーの色を選びましたが、イヤモールドは透明のものを選びました。この経験を踏まえ、娘のセイジには、イヤモールドを何色にしても合うホワイトのフォナック スカイ Vを選びました。鮮やかなピンク色のイヤモールドとの組み合わせがお気に入りです。
2、イヤモールドの重要性
もしイヤモールドが機能的にも耳の形にも完璧にフィットしていなければ、補聴器はきちんとその役目を果たせません。7ヵ月の娘のセイジはちょうど、彼女にとって二つ目になるイヤモールドの型取りを終えました。まだ幼い彼女は、補聴器を耳から引っ張り出し、まだ歯の生えていない口で噛むのが大好きなのです。聴覚の専門家にイヤモールドを見せたところ、修復不可能で交換する必要があると言われました。残念なことに、彼女は新しいイヤモールドが届くまで、補聴器を装用することができませんでした。
補聴器は壊れやすく、修理中はこどもたちが音から遠ざかってしまいます。なので、こどもが小さいうちは特に、イヤモールドも含め補聴器が使い続けられるよう気を付けていてあげることが大切です。
3、イヤモールドの装着感に違和感があるときのサインを知っておく
4歳になる息子は6~8ヵ月ごとに新しいイヤモールドを作っていますが、彼が大きくなるにつれ、イヤモールドを作る頻度は下がっていくことを願っています。
「イヤモールドが耳に正しくフィットしていることは、他の何よりも大切なことなのです」”Ask Anna”のコラムを執筆しているフォナック補聴器の聴覚専門家、アンナ・ビギンズは言います。「どんなに補聴器の性能が良かったとしても、イヤモールドがうまくフィットしていない状態では、こどもたちは補聴器を長く装用していることはできないでしょう」
イヤモールドがきちんと耳に合っているかを判断する方法はいくつかあると思いますが、私の場合は、ハウリングとフィット感を確認するようにしています。

  • ハウリング

ハウリングはマイクとスピーカの位置が近すぎるときに発生します。普段よりハウリング音が多いと感じた時は、イヤモールドが耳に合っていなく、頻繁に外れてしまうからだと考えられます。イヤモールドを頻繁に調節しなければいけないときは、一度聴覚の専門家に相談しましょう。

  • フィット感

二つ目の気になるサインは、フィット感です。もし、イヤモールドの周りに少し余裕があり、イヤモールドを交換する必要があるかどうか迷ったら、聴覚の専門家に相談してみましょう。私は、どんな相談にも親身に対応してくださる聴覚の専門家に出会えたことはとても幸運だと思いますし、とても感謝しています。
4、新しいイヤモールドを作るためにかかる時間を把握しておく
こどもたちが新しいイヤモールドが必要だと気付いたとき、私はだいたい2~4週間の計画を立てました。なぜかというと、新しいイヤモールドの作成は一回ではできず、二回にわけて予約をする必要があるからです。一回目はイヤモールドの型を取るとき、そして二回目は出来上がったイヤモールドが合うか試すための予約です。
出来るだけ早く、受け取りができるようにしてあげてください。受け取りまで長い時間がかかるということは、あなたのこどもがそれだけの期間、きちんとフィットするイヤモールドがない状態で過ごさなければいけないということですから。
5、耳型を取っている間、こどもの気をそらしてあげる
こどもが耳型を取っている間、できる限りこどもの意識を耳型から遠ざけてあげましょう。
まず初めに、聴覚の専門家が外耳道に耳栓を挿入します。そのあと、モールドの材料を合わせます。素材はガムのようなプレイドウというこども用の粘土のような素材です。それをシリンジに入れ、耳の中に入れていきます。固まるまでだいたい5分程度かかりますが、乳児にとって5分間、耳の違和感を無視してじっと待つのは難しいですよね。なので、私はセイジが耳栓を引っ張ってしまわないように注意を払いました。素材が固まったら、聴覚の専門家が耳から取り出し、型取りに問題ないことを確認し、イヤモールドを作成する会社にその型を送ってくれます。



∗ なぜイヤモールドは重要なのか
イヤモールドは補聴器の機能に劇的な影響を与え、その色を選ぶことは、あなたのこどもが補聴器を受け入れられるように励ますための素晴らしい第一歩なのです。
あなたがもし難聴を持つこどもの親であるならば、おそらく初めの頃は様々な感情があなたの中に湧き上がってきたことでしょう。恥ずかしさや罪悪感を感じてしまう事があるかもしれません。不思議なことに、そういった感情はあなたのこどもにどのような色のイヤモールドや補聴器を選ぶかに影響を与えているのです。
私はそういった人たちを多く見てきて、その気持ちが良くわかります。ですが、どんな色をこどもに選んでも、彼らの聴力を元に戻してあげることは出来ないのです。こどもたちが補聴器を受け入れることができるように、まずは私たちがその現実を受け止めましょう。補聴器を隠す必要なんて全くありません。一度補聴器を使ってみれば分かりますが、補聴器はこどもたちの成長を助けてくれます。難聴を持つことがこどもたちの将来の成功を妨害する理由にはならないのです。

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