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「NHKテキスト きょうの健康」にて日本補聴器工業会のPR連載企画が始まりました!

NHKテキスト きょうの健康」2020年1月号より、日本補聴器工業会による「補聴器で毎日はつらつ」のPR連載企画がスタートしました。1回目の1月号は聞こえづらくなるのは年のせい?とのタイトルで、耳鼻咽喉科の医師、杉内智子先生に聞こえが悪くなる原因や対処法についてお伺いしています。

Q 母は70歳を超えてから耳が遠くなりました。本人は年のせいだといって医者に行きません。

A 難聴にもいろいろなタイプがあります。強いストレスなどが原因の突発性難聴、長時間大きな騒音にさらされることが原因の騒音性難聴、加齢とともに聞こえが徐々に低下する加齢性難聴、ほかに遺伝性難聴や薬剤性難聴などもあります。
加齢性難聴は50歳過ぎから始まる人もいますが、90歳でも聞こえる人もいますから、年齢のせいとばかりはいえません。とはいえ、年齢とともに増えてくることは事実です。
高齢の方が聞こえが悪くなる時の原因としては、加齢性難聴以外に耳あかや滲出性中耳炎も考えられます。また、加齢性難聴に加えて耳あかや中耳炎が重なっていることもあります。耳あかは取り除けばよく、中耳炎は薬だけで治ることもあります。聞こえが悪いと感じたら、早めに耳鼻科を受診していただきたいですね。

Q 最近、テレビの音が以前より小さいような気がして、ついボリュームを上げてしまいます。
妻は「難聴ではないか」といいます。

A 家族からテレビの音が大きすぎるといわれて難聴に気付く人はとても多いですね。そのほか、家族が話している時に聞き返すことが増えるとか、後ろから来る自転車に気付かずぶつかりそうになる、といったことが増えて難聴に気付く人もいます。
耳が遠くなると会話に入っていけないことから、生活がつまらなくなり、疎外感を持つようになって、人との関わりを閉ざしてしまう生活になりがちです。それを避けるためにも、一度耳鼻科を受診しましょう。
独り暮らしの方はなかなか気付きにくいため、積極的にサークルなどに参加し、聞こえに変化がないか確認していただきたいですね。

Q 孫に「おじいちゃんの声は大きい」といわれてしまいました。自分では普通だと思っているのですが。

A 音が聞こえる仕組みは、内耳にある音のセンサーである有毛細胞という細胞が音を調整して電気的な刺激として脳に伝え、脳がそれを判断して言葉などに置き換えるというものです。この有毛細胞が加齢とともに減ってしまうと加齢性難聴を引き起こします。また、内耳の血管の老化や神経の機能低下、脳の機能自体の老化なども加齢性難聴に影響を与えます。
内耳は年齢を重ねると高音域から機能の低下が進むため、高い音のほうから聞こえが悪くなります。子どもの声は高音なので、お孫さんの声は聞き取りにくいのです。一方で、私たちは自分の声も自分で聞いています。したがって、聴力が低下していると、無意識のうちに声を大きくしてしまいます。余談ですが、テレビでも、時代劇は理解できても、早口で甲高い声で話すバラエティ番組は理解できないこともあります。

Q 80歳の父が中程度の難聴と診断されました。難聴は治るのでしょうか?

A 難聴の程度は4段階に分けられます。軽度は、騒がしい環境では会話が聞き取りにくい状態です。中等度になると普通の会話が聞き取りにくくなり、高度になると普通の会話は聞き取れず、大きな声で話しかける必要があります。重度になると耳元で話しても聞き取れません。
加齢性難聴は現代の医学ではまだ治せません。聞こえに不自由を感じたら補聴器の使用を検討する必要も出てくるでしょう。それは、単によく聞こえるようにすることだけが目的ではなく、人生100年時代に、社会参加や趣味・仕事などをできるだけ長く続けるためにも必要ではないでしょうか。

NHKテキスト きょうの健康でのPR掲載より」

連載は6月号まで続きます。次回は難聴によって起こる聞こえ以外の問題について解説されるそうです。ぜひお手に取ってご覧ください!

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