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ロジャー オンの3つの利用方法ー在宅勤務からオフィスに回帰したときー

ステイホームが続き、すっかり在宅勤務に慣れてしまった難聴者にとって、オフィスワークは負担に感じるかもしれません。

自らも難聴を抱える当事者であるWhitney Spagnolaから、オフィスワークにおけるロジャー オンの活用方法、そしてロジャーをもっと知ってもらうためのヒントについてご紹介いたします。

大学を卒業して最初に就いた仕事は、平凡なオフィスワークでした。チームメンバーは優しいし、仕事内容も面白かったのです。ですが、それでも休みの日の過ごし方は平日よりもっといい感じでした。

8年間そこで勤めたことを思い出したとき、最も印象に残っているのは1週間の休みを取り友人と過ごした休暇明けの日です。その日は、私にとって人生の中で一番長い日でした。

それから15年、私は別の仕事に就きました。そして、1週間の休みの代わりに…私はこの15ヶ月を家で過ごしたのです!先週、2回オフィスに行き、人と直接会ってきました。パンデミックの世の中で、すっかり在宅勤務のプロとなった(上はブラウス、下はヨガパンツ、顔にはマスカラをつけるだけの在宅ワーク姿)私にとって、同僚と一緒にいることはとても素晴らしいことですが、同時にとても疲れてしまいました。

疲れの原因はいろいろありますが、この日は私にとって人生の中で二番目に長い日でした。そう、話を聞きとるのに疲労困憊してしまいました。

そこで、2日目は気を取り直してロジャー オンをオフィスに持っていきました。すべての会議や会話でロジャーを使うこと、そして机の上に常にロジャーを準備してみることにしました。

この日ロジャー オンを活用した3つのオフィスワーク

1.複数の同僚との対面式ミーティング

聞き取り課題:

8人のメンバーが参加する重要な会議です。家の空調と比べてオフィスの空調はこんなに大きな音だったのかと初めて気づきました。

補足情報
①まだ付き合いが浅い上司の話声は小さい
②新任の副社長は訛りがある
(どうしてこのような補足をするかというと…オフィスの空調による騒音下では、高音域に聴力低下を抱える私にとってロジャーを使用せず補聴器だけで小さな話し声や訛りを理解することが難しいことをお伝えするためです。)

ロジャー オンの活用方法:

ロジャー オンとマイロジャーマイク アプリを使用することで、周りの騒音を気にせずに人の話声をはっきりと聞き取れるようになりました。

2.オンラインとオフィスの両方から参加する対面式ミーティング

聞き取り課題:

現在のミーティングルームは非常に多機能になっています。オンライン参加者の声がみな小さかったりして、私には声がよく聞こえなかったのです。すぐそばにいる同僚の声は大きくよく聞こえるので、軽度難聴を抱えている私にとって、聞き取りはそれほど難しくありませんでした。

ロジャー オンの活用方法:

ロジャー オンをパソコンのスピーカーの近くに設置することで、オンラインで参加する同僚の声が聞こえやすくなりました。そして、マイロジャーマイク アプリを使い環境音バランスを調節することで、すぐそばにいる同僚の声も大きすぎることなく聞き取れます。

3.ミーティングが終わりデスクワークに戻る

聞き取り課題:

うるさいコピー機のそばで会話をする必要があります。そして相手の口の動きが見えないと会話が理解しにくくなります。

ロジャー オンの活用方法:

ロジャー オンをノートに挟んでおくと、皆が約2メートル間隔に離れたデスクに戻ったときでも、簡単に会話を聞き取れます。

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仕事にもよりますが、多かれ少なかれ従業員同士のコミュニケーションには負担が生じます。私の場合は至って普通の環境です。整備士、小売業、飲食店、教師などのような特殊な環境の仕事ではありません。しかし、ほとんどの場合、仕事の場におけるコミュニケーションの課題は距離、騒音、障害物(エアコンやマスクなど)によるものです。

ロジャーは、仕事面以外のところでも役に立ちます

私は、この素晴らしいロジャーの技術を生み出したメーカーに勤めており、多少ひいき目に見ていることは認めます。それでも、私の仕事は私の人生と深く結びついています。

私の子どもは2人とも難聴を抱えています。 そして私自身も難聴者で、父は加齢性難聴を抱えています。私たちは、ことばの明瞭さと快適さを向上させる魔法のようなアルゴリズムを搭載した高性能な補聴器を使用していますが、それでも騒音下や離れた場所からの音を聞き取ることに苦労しています。

子どもたちは学校を休むわけにはいきませんし、父も社会活動から離れるわけにはいきません。もちろん、私はミーティングの内容を理解しないといけません。装用している補聴器のメーカーや器種に関わらず、ロジャーは特別な存在です。

近い将来、会社から私たち従業員に、在宅勤務からオフィス勤務に切り替えるよう指示が出るでしょう。エアコン、距離、マスクなど、聞き取りを阻害する要因はたくさんあります。でも、私は今回体験したような、ロジャー オンによってそれらが克服された日常を心待ちにしています。聞き取り労力や会話の聞き違いを、社会人として生活する上で甘受する必要はありません。ロジャー オンは、私が職場で成功できるよう、私の聞き取りをより良くしてくれるのです。

簡単ですが、エンドユーザー向けのロジャーご紹介ムービー(英語)を作成しました。よろしければ下記リンクからご覧ください。(https://vimeo.com/568580208/5e0b3c3dcd

Whitneyからのアドバイス

紹介する

  1. ロジャー オンロジャー ネックループを使用することでオフィスでの会話をより快適にすることができます。ぜひフォナックの担当者にご相談ください。
  2. ロジャー カタログ(リンク)などを参照し、ユーザーに適切なロジャー マイクロホンを見つけましょう。
  3. こちらのシミュレーション(https://beonww.tech/apps/pru/rogeron/pc/)でロジャーを使用する場合と使用しない場合の音を聞き比べることができます(英語)。

質問する

ユーザーに、職場で最も聞き取りが困難な状況の原因は何かを尋ねてみてください。(例:距離の問題なのか、位置の問題(正面以外からの会話)なのか、騒音の問題なのか…?そしてこれらの問題はあなたの仕事にどんな影響がありますか?)

これにより、ユーザーが使用する補聴機器にマッチするワイヤレスマイクロホンを絞り込むことができます。

試聴する

ユーザーだけでなくご家族にもロジャー オンを試聴してもらいましょう。彼らの課題が分かれば ーー その課題を解決するロジャーの機能をアピールすることができます。

私の経験から言うと、マイロジャーマイク アプリを使用しながら卓上モードでユーザーに試聴してもらうことは、あれこれ説明するよりもずっと説得力があります。

見せる

ユーザーにロジャー オンとマイロジャーマイク アプリをお見せください。私はこのマイクを手にしたとき、その小ささにとても驚きました。ロジャー ペンと比べても圧倒的に小さいからです。クリップ部分はロジャー セレクトよりもしっかりしています。そして、ロジャー オンはロジャーのポートフォリオの中で最も「邪魔にならない」マイクです。

教育する

米国において、従業員は連邦政府の保護対象です。法律により、雇用主は従業員が仕事をするために合理的配慮を提供することが義務づけられています。

研究#1によると、ロジャーは補聴器ユーザーの騒音下および遠距離での会話に対する理解度を、健常者と比較して最大10倍も向上させることが分かりました*1(残念ながら、先日は騒音計のスマホアプリを使いそびれていましたが、エアコンの真下に座っていると75 dBに迫る値を示していたに違いありません!)。

ロジャーによって人々に公平がもたらされることは、本当に光栄なことです。これは、働く人にとっての「合理的配慮」の素晴らしい例と言えるでしょう。

#1:75dBの騒音下における中等度から重度の難聴者を対象とした研究に基づく。

 

ロジャー オンについてもっと知りたい方は、こちらをご覧ください。

 

著者:Whitney Spagnola(フォナック米国 キャンペーンマネージャー)

日中はフォナックのマーケティング部門で働き、夜は家族や友人とおしゃべりをしています。Whitneyは耳鳴と軽度から中等度の難聴を抱えています。また彼女は軽度から中等度の難聴を抱える2人のこどもの母でもあります。

難聴になって良かったこと:こどもたちにさらに寄り添ってあげられるようになったこと

自分の補聴器の気に入っている点:色々な機器から思うままにストリーミングができること

好きな音:笑い声

 

この記事は、2021年8月10日にPhonak Audiology Blogに掲載された記事を翻訳したものです。

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参考文献

*1.Thibodeau L. (2014). Comparison of speech recognition with adaptive digital and FM remote microphone hearing assistance technology by listeners who use hearing aids. American Journal of Audiology; 23(2): 201-10.

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