タップコントロール ~パラダイスとBluetooth®機器の華麗なデュエット~
タップコントロールによって、ユーザーはこれまでにない方法で様々な機能を呼び出し操作することが可能です。
この新機能は充電タイプのフォナック パラダイス P90とP70に搭載されています。
かかってきた電話に出たり、動画や音楽の再生を一時停止したり再開したり…スマートフォンを一日に何回手に取りますか?日頃から音声アシスタントの機能を十分に活用していますか?
補聴器がワイヤレス機器と直接接続できるようになった反面、ユーザーはこれまで以上に補聴器に様々な操作をする必要があります。しかし、補聴器のスイッチにはすでに多くの機能が割り当てられています。
フォナックの補聴器では、多機能ボタンの上と下、長押しと短押しを使い分けて、補聴器の電源のオン/オフ、音量調節とプログラム変更、電話を受ける/切る/拒否するといった操作を行うことができます。
フォナック パラダイス補聴器の充電タイプに新たに搭載されたモーションセンサーによって、これまでになく直感的で、ジェスチャーと機能がリンクする感覚的なユーザーコントロールが実現しました。それが「タップコントロール」=ブルートゥース機器と相互に連動する新しい機能です。
タップコントロールとはどんな機能ですか?
タップコントロールは、補聴器のさまざまな機能を操作するための新しい方法です。これは、フォナック パラダイスの充電タイプ補聴器に搭載されたモーションセンサーによって実現しました。90クラスと70クラスであれば、耳の上部から補聴器をトントンと2回タップすることで、予め設定された機能を呼び出すことができます。
タップコントロールにはどのようなオプションがありますか?
タップコントロールでは、以下のような操作ができます。
- 接続されているブルートゥース機器からのストリーミングを一時停止/再開
- 接続されている iOS または Androidスマートフォンにかかってきた電話の受話/終話
- 指定した音声アシスタントの起動(SiriやGoogleアシスタント)
音声アシスタントは、もはや限られた人が利用する特別な技術ではなくなり、インターネットとつながり日常的かつ基本的なタスクをより便利にするための一般的な機能になりつつあります。米国国内向けの調査では60歳以上の人の60%がスマートフォンで音声アシスタントを使用しています*1。
タップコントロールと音声アシスタントを組み合わせることで、ユーザーにこのような機能を提供することが期待できます:
- 音楽の再生
- メッセージの読み上げや返信
- ナビゲーションや交通案内
- 天気の確認
- インターネット検索
- リマインダーの設定
- ネットショッピング
- スポーツの結果確認
ここに挙げた以外にも無限の可能性を秘めています…そしてスマートフォンに指一本触れることなく利用可能です!
好みの設定を行うことはできますか?
もちろんです。タップコントロールはフィッティングソフトPhonak Targetで簡単に設定できます。あらかじめ3つの動作が用意されており、そのうち2つは左右の補聴器に割り振ることもできます。タップコントロール設定は、マイフォナック アプリにある「自分の補聴器」画面からユーザー自身で確認・設定することもできます。
使いやすさや評価はどうでしょうか?
タップコントロールについて、内部検証を行った結果は以下のとおりです。
- タップコントロールについて、13人中9人の参加者が「非常に信頼性が高い」もしくは「信頼性が高い」と評価しました(Adler & Woodward, 2020)。
- 多機能ボタンやスマートフォンの操作と、タップコントロールのどちらが好みかという質問では、2倍以上の参加者が後者を選びました*2。
Phonak Target 7.0には、ユーザーがタップコントロール機能を上手に使いこなせるようダブルタップのコツをつかむべく、タップコントロールの練習機能があります。タップコントロールは、ユーザーがストリーミング機器を自由かつ思い通りに操作するための、手軽かつ信頼性の高い方法といえます。
タップコントロールによって、いわば補聴器そのものを押しボタンにすることで、補聴器に新たにボタンやスイッチを増やさなければならないという問題を解決しました。そしてこの新機能は、補聴器を直感的かつ感覚的に操作することができ、ブルートゥース機器をより自在に操ることができるだけでなく、音声アシスタントを介して自分と世界を容易につなぐこともできます。タップコントロールによって、充電タイプのフォナック パラダイス P90とP70の2つのクラスを装用するユーザーは自身に備わっている機能をフル活用することができます。
タップコントロールに対するより詳しいユーザー評価について、著者であるMegan Adlerがご紹介する短い動画(英語)をご用意しています。
また、こちらのページには、数々のエビデンスを含む技術的資料(日本語)を提供していますのでご参照ください。
この記事は、2020年9月22日にPhonak Audiology Blogに掲載された記事を翻訳したものです。
著者:Megan Adler (フォナックUS リサーチオーディオロジスト)
Meganはソノヴァのリサーチオーディオロジストです。 2008年からソノヴァに勤務し、これまでカスタマーサクセス部門の一員としてテクニカルサポートに従事しました。彼女はこれまで、聴覚的評価の管理検討、耳鼻科における成人及び小児向けの補聴器販売、フィッティングを経験しています。彼女は北イリノイ大学で聴覚学の修士号を取得し、ペンシルベニア検眼医学大学(現サルス大学)で聴覚学の博士号(Au.D.)を取得しました。
◆関連記事◆
【マイフォナック アプリ 4.0.4アップデートのお知らせ】
皆さまからの[よくあるご質問(FAQ)]ペアリングした補聴器の携帯電話の表示
外出先でも弾むおしゃべり!
参考文献
- Kinsella, B. (2019, June 21). Voice Assistant Demographic Data – Young Consumers More Likely to Own Smart Speakers While Over 60 Bias Toward Alexa and Siri. https://voicebot.ai/2019/06/21/voice-assistant-demographic-data-young-consumers-more-likely-to-own-smart-speakers-while-over-60-bias-toward-alexa-and-siri/ より (2020年9月19日に参照)
- Adler, M. & Woodward, J. (2020). Phonak Field Study News; New Tap Control: providing a preferred and reliable alternative to access direct streaming functions. phonakpro.com/evidence より(2020年9月19日にアクセス)