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きこいろ × フォナック コラボ企画「知ってください片耳難聴」第2回

フォナックでは、片耳難聴を抱える当事者やご家族だけでなく、その周囲の方々にももっと知ってもらいたいという思いから、片耳難聴の当事者団体である「きこいろ」様とコラボを開始しています。

前回に引き続き、きこいろ代表の岡野由実さんにお話をうかがった内容をご紹介します。


参加者の属性(年代や職業、男女比など差し支えない範囲で)

地域で見ると半数くらいは関東圏ですが、全国に会員がいます。海外在住の会員も数名いらっしゃいます。

年齢層は10代から80代まで幅広く、特に30~40代の方が多いです。

プロジェクトメンバーについて教えてください

先ほどご紹介した発起人であり事務局の麻野さんと初めて会ったのが2019年の1月でした。それから麻野さんを中心に、SNSやインターネットを通じて片耳難聴について発信している人を探して、メンバーを集めてくれて、そして、2019年の8月に「きこいろ」を立ち上げました。その時は10名足らずの小さな会だったのですが、そのメンバーが今でもプロジェクトメンバーとしてコアに活動しています。

プロジェクトメンバーの方はみな色々なスキルをお持ちですね

共通点は片耳難聴があるだけで、それぞれの分野で活躍している人たちばかりです。きこいろのホームページを作成してくれたデザイナー/エンジニアさんだったり、ピアニストだったり、公認会計士だったり、技術開発者だったり…。

それぞれの分野で活躍している方たちが集まって、それぞれのスキルを活かしているという面では、すごく面白いし、非常にユニークで良いメンバーが集まってくれたなと思っています。当事者やご家族からは、各分野で活躍する当事者がいるということがすごく励みになると言ってくださったりします。

現在約600名とのことですが、どのくらいまで増やしたい?

目標は、日本全国の片耳難聴の人たちが繋がれるようになることです(笑)。

でも、会員にならなくても、片耳難聴に悩んでいる当事者にきこいろの情報がちゃんと届けば良いなと思います。そのためにも、少しずつきこいろの認知度が上がっていってくれればと。結果として会員が増えてくれるといいなと思います。

今後「きこいろ」としてやってみたいことは?

さきほど(インタビュー紹介第1回に掲載)の活動の3つの柱の3つ目「社会への啓発」には、力を入れていきたいと思っているところですが、なかなか難しさはあるなと思っています。

身近に片耳難聴の人がいない人たちにも、「片耳聞こえないと騒がしいところで聞こえにくいんだよね」とか「席の場所はここに配慮すれば良いのかな」みたいなことを知ってもらえるだけでも、私たち片耳難聴者の生活や過ごしやすさはずいぶん変わるだろうなと思います。なので、そういった片耳難聴に関する知識を、とにかく広めていきたいと思います。

それでは、あったらいいなと思う制度・技術・支援などがあればお聞かせください

ひとつは、補聴機器を購入するときの補助が受けられればというところです。

今まで私が臨床で携わってきたお子さんの中には、授業中聞き取りや友達関係での悩みがあって、「この子には(そういったことを解決するため)補聴機器があった方がいいな」って思うケースを何人か対応してきました。しかし、自治体が行っている軽度・中等度難聴児補聴器購入助成事業を利用しようと申請を出しても「片耳が正常だから」という理由で通らなかったり…。

身体障害者手帳の対象にして欲しいとまでは個人的に思わないですが、必要な人に必要な支援が届くよう、特に金銭的な面での制度は少しずつでも拡充していってほしいです。

ただ、そういった支援や制度だったり、補聴機器の開発だったり見える形のサポートも大切かもしれませんが、それよりも周りの人のちょっとした配慮があるだけで、私たちの生活はずいぶん変わると思います。配慮の輪が拡がっていけばいいなと思います。


3回に分けてご紹介している岡野さんへのインタビューは、「知ってください片耳難聴 第3回」に続きます。

次回もお楽しみに!

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