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少ないメンテナンスで より良い“きこえ”を実現【イージーガード耳せん】

※本記事は、Phonak Audiology Blog に掲載された記事を翻訳したものです。

フォナックの新しい既成耳せん、「イージーガード耳せん」はレシーバを耳垢から十分に保護することで、ユーザーのメンテナンスの負担を軽減し、クリニックや販売店への再来店およびサポート対応の頻度を低減します。その結果、すべての人にとって続けやすい、負担の少ない補聴ケアを実現します。

たかが耳垢、されど耳垢

驚かれるかもしれませんが、耳垢は補聴器トラブルの最も大きな原因のひとつです。耳垢が自然に出てくること自体は、とても健康的な生理現象です。しかし、ひとたび耳垢が補聴器に入り込むと、音の正常な伝達を妨げ、低音が響くような違和感やハウリングを引き起こし、場合によっては補聴器がまったく作動しなくなることもあります。

最新の研究では、店舗やクリニックで対応される補聴器のサービスのうち、約40%が耳垢や清掃に関する問題であることが示されています。実際には「耳垢防止フィルターが詰まっているだけ」でも、多くのユーザーは補聴器が壊れたと思い込んでしまうのです。

インフィニオ ウルトラ プラットフォームの開発にあたり、フォナックのエンジニアとオージオロジストが掲げた目標は明確でした。「ユーザーにはより快適でストレスのない補聴器体験を、そして補聴器専門家にはサービス対応の負担を減らせる仕組みを作りたい」

そこで私たちは、ひとつのシンプルな仮説に立ち返りました。もし、補聴器で最も故障しやすい繊細な部品であるレシーバを、耳垢詰まりから守ることができたとしたら?

そうすることで、ユーザーは清掃やメンテナンスに費やす時間を減らし、より生活を楽しむことに時間を使える。そして補聴器専門家は、

トラブル対応ではなくフィッティングやカウンセリングといった本質的なサポートに集中できるはず。

その問いに対するシンプルかつ革新的な答え。それが、イージーガード耳せんです。

メンテナンスをもっと簡単に ー イージーガード耳せんの仕組み ー

新しい耳せんである「イージーガード耳せん」は、補聴器ユーザーと補聴器専門家の双方にとってメンテナンスをより“簡単・迅速・確実”にすることを目的に設計されました。

従来の耳せんは、レシーバからの音が外耳道にそのまま届くよう、先端に開口部を設けたシリコン素材で作られています。一方、イージーガード耳せんは外観こそ従来の耳せんに似ていますが、内部には特許を取得した革新的な構造を備えています。
補聴器の音響特性を変えることなく、レシーバを耳垢や湿気から密閉・保護する音響透過膜を内蔵していることが最大の特長です。

目に見えない保護膜がもたらす5つのメリット

レシーバに耳垢が侵入するのを防ぐ

音をクリアかつ自然に保つ

清掃を簡単にする(耳せんを軽く拭くだけでOK。小さいフィルターを交換する必要はありません)

メンテナンスのための再来店を減らす

レシーバの寿命を延ばすことにもつながる

従来から使用されているセルストップも、予備の耳垢防止フィルターとして引き続き機能します。つまり、イージーガードとセルストップの“二重のガード設計”によって、よりクリアな音質、より長期的な耐久性、そしてより少ないメンテナンスを実現します。

実際のユーザーの声 – 4か月間のリアルな試験結果

フォナック聴覚研究センター(PARC)のリサーチオーディオロジスト、メーガン・アドラーとともに、59〜92歳の経験豊富な補聴器ユーザー19名を対象に、4か月間の在宅試験を実施しました。その結果、参加者から次のような評価が得られています。

耳せんを定期的に清掃しているユーザーの61%が「従来の耳せんより、イージーガード耳せんの方がメンテナンス時間を節約できた」 と回答

58%が、「イージーガード耳せんの方が従来の耳せんより快適」 と回答

79%が、「イージーガード耳せんを他者に勧めたい」 と回答

68%が、「現在使用している耳せんよりイージーガード耳せんを好む」 と回答

耳せんをイージーガード耳せんに替えるという小さな変化が、多くの補聴器ユーザーの日々の補聴器ケアを大きく改善したことがわかります。

補聴器専門家が最初に確認したのは、新たな保護膜をレシーバに追加することで音質に影響が生じないかという点でした。

しかし試験の結果、イージーガード耳せんと従来の耳せんの間で、音量や全体的な音質に有意な差は認められませんでした。つまり、イージーガード耳せんはより高い保護性能を備えながら従来と同等の優れた音響パフォーマンスを維持できるということです。

補聴器専門家にとってのメリット

イージーガード耳せんのメリットは、利便性だけにとどまりません。補聴器の信頼性と顧客満足度を向上させることにも大きく関わっています。レシーバを保護して耳垢の蓄積を減らすことで、緊急のメンテナンス対応が少なくなります。これにより日常的なメンテナンス対応でなく、フィッティングやカウンセリングといったより重要度の高い相談業務に時間を割くことができるようになります。

そして、耳垢の蓄積による補聴器の不具合が軽減されることで、補聴器装用の快適さが高まり、ユーザーにとっても専門家にとっても大きなメリットにつながります。

背景にある科学的根拠:シンプルでわかりやすいには理由がある

イージーガード耳せんは、一見すると何の変哲もない耳せんに見えるかもしれません。しかし内部には、フォナックが誇る高度な音響工学技術が採用されています。内蔵された音響透過膜は、耳垢や湿気の侵入を防ぎながら、音波が自然に通過するよう精密に設計されています。

この革新的な技術は、エビデンスに裏打ちされた高度な技術を日々の生活で快適に使える製品へと落とし込む──そんなフォナックの姿勢を象徴しています。

なぜなら、私たちが目指す“良いきこえ”とは、ただ聞こえることだけでなく、無理なく快適にそれを続けられることで完成するものだと考えているからです。

まとめ

耳垢は補聴器トラブルの隠れた主要因のひとつです。

イージーガード耳せんはレシーバを保護しつつ、メンテナンスを大きく簡素化するスマートな仕組みです。

イージーガード耳せんの使用により、清掃にかかる時間が減り、装用時の快適性とユーザー満足度が向上することが研究によって示されています。

イージーガード耳せんに搭載された音響透過膜によって音質はそのままに、補聴器の動作の安定性が高まります。

耳せんをイージーガード耳せんに替えるだけで、毎日の補聴器ケアがぐっとラクになり、清潔で安心して使い続けられます。

4か月間の研究結果の詳細は、こちらをご覧ください。イージーガードが「使いやすい」と評価された理由についてご確認いただけます。


[関連リンク]

オーデオ インフィニオ 性能アップグレード版「インフィニオ ウルトラ」新登場 | きこえのブログ by フォナック

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