聞こえのブログのロゴ

子どもの成長を支える:ジュニアモードが小児フィッティングのベストプラクティスをどのように支援するか【専門家向け】

最新のグローバルインサイトは、フォナックのジュニアモードが、臨床家に対して効率的かつエビデンスに基づいた小児フィッティングを実現し、補聴器装用初日から子どもたちに快適さと適切なサポートを提供することをどのように支援しているかを示しています。

小児臨床において、聴覚ケア専門家は2つの重要な目標のバランスを取る必要があります。それは、個別化されたケアの提供と臨床効率の維持です。多くの臨床家にとって、「自分のフィッティングはベストプラクティスに沿っているのか、それをどのように確認できるのか」という問いは、常に重要な関心事となっています。

フォナックターゲット(フォナック補聴器専用の調整ソフトウェア)に搭載されたジュニアモードは、これらの課題に対して安心感と実務上の利点を提供します。エビデンスに基づく小児フィッティングの原則を反映した年齢別のデフォルト設定を適用することで、臨床家の時間短縮、ワークフローの簡素化、そしてすべての子どもが現行のベストプラクティスに沿ったフィッティングから開始できるよう支援します

ベストプラクティスの重要性とその根拠

「Outcomes of Children with Hearing Loss(OCHL)」や「Longitudinal Outcomes of Children with Hearing Impairment(LOCHI)」といった縦断研究により、良好なアウトカムは、早期かつ適切で検証されたフィッティングに加え、最適な可聴性と一貫したデバイス使用によって支えられることが示されています。

フォナックのターゲットトラックのビッグデータ分析は、これらの知見を実臨床に結び付けるものです。2024年8月から2025年8月にかけて、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドのクリニックにおける68,000件以上の小児フィッティングが分析されました。

その結果、多くの小児フィッティングがすでにエビデンスに基づく選択を反映している一方で、特にジュニアモードの活用により、さらなる効率性と一貫性の向上余地があることが明らかになりました。

ジュニアモード:効率化・年齢適合・エビデンスベース

ジュニアモードは、小児向けに検証された処方式(DSL v5 Pediatric または NAL-NL2)を自動的に適用し、さらに発達段階に応じた4つのカテゴリー(0-3歳、4-8歳、9-12歳、13-18歳)に基づく年齢特有のデフォルト設定を提供します。これらの設定は、暦年齢だけでなく発達年齢に応じて調整することも可能です。

実臨床では、小児フィッティングの81%がジュニアモードのデフォルト設定を使用しており、その普及の広さが確認されています。一方で、一部の低年齢児が標準モード(成人設定)でフィッティングされており、その場合、小児に適した利得や指向性を得るために追加の手動調整が必要となることも明らかになりました。

初期段階からジュニアモードを使用することで、これらの追加ステップを省略でき、時間短縮と同時に年齢に適した増幅設定を確実に提供できます。

効率性の向上

ジュニアモードの活用により、小児設定への迅速なアクセス、手動調整の削減、フィッティングの一貫性向上が可能となります。これにより、可聴性と快適性を維持しながら、効率的な臨床が実現されます。

快適性の重要性:ジュニアモードが支える聴取のしやすさ

子どもたちは、静かな教室から騒がしい校庭まで、多様な聴取環境にさらされます。ジュニアモードは、ノイズブロック、サウンドリラックス、マイクロホン指向性といった雑音管理機能を、小児使用に最適化して統合しています。

最も若年の装用者(0~3歳)に対しては、「静かな環境プログラム」および「騒音下でのことばプログラム」の両方において、リアルイヤーサウンドがデフォルトの指向性として適用されます。これにより、幼児は複数方向からの重要な音声を自然に聞き取り、言語発達に不可欠な「ことばの聞き取りの機会」を確保できます。

ビッグデータの分析結果は以下を示しています:

0~3歳のフィッティングの84%がデフォルトの雑音管理設定を使用

設定変更が行われる場合、ノイズブロックはより強く設定される傾向があり(静かな環境プログラムで29%、騒音下でのことばプログラムで26%)、騒音下での快適性向上に寄与

これらの傾向は、臨床家が音声へのアクセスを損なうことなく、聴取努力を抑えつつ快適性を高めるためにジュニアモードを活用していることを示しています。

ビッグデータがもたらす臨床的確信

縦断研究と実臨床データの組み合わせは、臨床家に自己評価の機会を提供します。

68,000件以上の実際の小児フィッティングデータと自身の臨床実践を比較することで、自らのアプローチがベストプラクティスに沿っているかを確認できるだけでなく、さらなる効率性や有効性向上のための改善点を見出すことが可能です。

臨床家にとっての価値

● エビデンスに基づくプロトコルに従っているという安心感

● ワークフロー効率を高めるための実践的な指針

● 可聴性と快適性の両立を支えるフィッティングを提供できているという確信

 

まとめ

  • ジュニアモードは、小児フィッティングを簡素化しつつ、研究に基づいた年齢適合のデフォルト設定を提供
  • 小児には DSL v5 Pediatric または NAL-NL2 が推奨される処方式である
  • ジュニアモードの雑音管理および指向性設定は、小児装用者の快適性とことばの聞き取りを向上
  • オートセンス スカイ OS は、子どもたちの多様な聴取環境に対応し、補聴器装用を支援
  • ビッグデータにより、臨床家は自身の実践をベンチマークし、継続的な改善が可能

これらのツールは、臨床家が効率性だけでなく、質の高いフィッティングを提供しているという確信を持つための強力な支えとなります。

詳細については、フォナック インサイトの全文をご覧ください。

 

※本記事は、Phonak Audiology Blog に掲載された記事を翻訳、一部編集したものです。

参考文献:

  1. McCreery, R. W., Walker, E. A., Spratford, M., Bentler, R., Holte, L., Roush, P., Oleson, J., Van Buren, J., & Moeller, M. P. (2015). Longitudinal predictors of aided speech audibility in infants and children. Ear and Hearing, 36(Suppl 1), 24S–37S. https://doi.org/10.1097/AUD.0000000000000211
  2. Ching, T. Y. C., Dillon, H., Leigh, G., & Cupples, L. (2018). Learning from the longitudinal outcomes of children with hearing impairment (LOCHI) study: Summary of 5-year findings and implications. International Journal of Audiology, 57(sup2), S105–S111. https://doi.org/10.1080/14992027.2017.1385865
  3. Nelson, J. (2025). Pediatric TargetTrack 2025. Phonak Insight. Retrieved from https://www.phonak.com/evidence. Accessed January 2026.

[関連リンク]

これで分かる!こども補聴器“フォナックスカイ” | きこえのブログ by フォナック

[フォナックウェブサイト]

フォナック スカイ ルミティ補聴器 | フォナック

 

カテゴリ別メニュー
聞こえに関する情報をお届けします