ロジャーのはなし – パート2【専門家向け】

フォナック スイス本社に勤務するオージオロジストのMin Rohが、ロジャーはどのような人にお勧めなのか、お客様へはいつ紹介すべきか、そしてどのようにデモンストレーションを行うかを解説します。
ロジャー テクノロジーに関するシリーズ第2回へようこそ。前回の記事をまだご覧になっていない方は、まず ロジャーの概要と仕組みについて紹介した第1回の記事をご覧ください。
今回は、ロジャーのメリットをご理解いただいたうえで、どのような方がこの技術の恩恵を最も受けられるのか、また、どのようにお客様へ紹介すればよいのかを見ていきます。
ロジャー はどのような人に適しているのか?
ロジャーの技術は、さまざまな聞こえの課題やコミュニケーションニーズを持つ幅広い方々に役立つ、柔軟性の高いソリューションです。対象となる方には、以下が含まれます。
- 補聴器、人工内耳、BAHA(骨固定型補聴器)装用者
ロジャーは国内で販売されている多くの補聴器/人工内耳に対応しています。 - あらゆる程度の難聴がある方
ロジャーは軽度から重度まで、あらゆる難聴レベルに対応しています。 - 一側性難聴の方
ロジャーは、手術を伴わない介入方法として非常に有効です。
比較研究では、一側性難聴の子どもに対する非外科的介入として最も優れた効果を示しました。² - 仕事の生産性を重視する方
ロジャーにより、会議やさまざまな活動に積極的に参加しやすくなります。 - 騒音下での会話理解に苦労している方
ロジャーは騒音下での言葉の聞き取りを大きく改善します。
補聴器単独と比較して、大幅な SNR(信号対雑音比)改善が得られます。² - 社会的場面から距離を置くようになっている方
ロジャーは騒音下でのグループ会話を改善します。
高齢者において、補聴器単独よりもグループ会話の聞き取り体験を大きく向上させました。³ - テレビ音声をより明瞭に聞きたい方
ロジャー オンおよびロジャー セレクトは、ドッキングステーションと組み合わせることでテレビストリーマーとしても使用できます。テレビやマルチメディア音声をよりクリアに聞くことができます。
| すべてのお客様にとっての「ウェルビーイング効果」
ロジャー* は、補聴器単独で聞く場合と比較して、聞き取りに伴う認知的・感情的・身体的負担を大きく軽減します。³ ※ ロジャー システムは、ロジャー送信機と、対応する補聴機器等にインストールまたは接続されたロジャー受信機で構成されます。 |
お客様にロジャーを紹介するタイミング
ロジャーは、お客様の「聞こえの旅路」のさまざまな段階で紹介できます。むしろ早い段階で話題にすることで、その人のニーズに合わせた提案がしやすくなります。
● 来店前
補聴援助システムについて、広告や店内資料に掲載しておくことで、お店を探し始めた時点から選択肢として認識してもらえます。
これにより、販売店の差別化につながり、お客様からロジャーについて質問しやすくなります。体験会や、試聴のお勧め、待合室のパンフレットなどを活用して興味を引き出すのも有効です。
● カウンセリング中
純音聴力測定だけでなく、語音聴力測定を用いることで、より客観的な提案ができます。また、簡単な質問票を活用し、騒音下や距離がある場面での困難を把握します。
● アフターケア
補聴器装用が成功して数年経っていても、騒音下で苦労しているお客様は少なくありません。そのようなタイミングは、ロジャーのメリットを再紹介する絶好の機会です。補聴器フィッティング時に ロジャーの話をしておけば、店内デモもスムーズに行えます。
また、「新しい補聴器を買い替える必要はなく、今の機器を強化できる」という提案は、聴覚専門家としての信頼構築にもつながります。
ロジャーのデモ体験
ロジャーを説明するうえで、デモ体験は非常に重要です。なぜなら、「聞いてみること」が最大の説得力になるからです。ロジャーによる聞こえの違いは非常に大きく、多くのユーザーが高い満足度を示しています。
- 82%のユーザーが「ロジャーは簡単に使える」と回答⁴
- 86%のユーザーが「会議でより効果的にコミュニケーション・参加・発言できる」と回答⁴
- 90%のユーザーが「家族や友人に ロジャーを勧めたい」と回答⁵
- 100%の参加者が「補聴器単独より ロジャー システムを好む」と回答⁶
わずか3分で、ロジャーの代表的な3つのモードを体験してもらうことができます。これまで聞き取りが難しかった場面でロジャーでより良く聞こえる体験をすると、お客様の表情が変わるのがすぐに分かるでしょう。
まとめ
聴覚ケア専門家として、ロジャーがどのように補聴器を補完できるかを含め、必要な情報をすべてお客様に提供することは私たちの責任です。
それによって、お客様自身が十分な情報に基づいて聞こえに関する意思決定を行えるようになるのです。
※この記事は、Phonak Audiology Blogに掲載された記事を翻訳、一部編集したものです。
著者:Min Roh(フォナック本社 ロジャー オーディオロジーマネージャー)
2017年にニュージーランドのオークランド大学で聴覚学修士号を取得。フォナックNZのセールス&オーディオロジーチームを経て、成人および小児の聴覚学、大学教育、専門団体でさまざまな役職を歴任した後、2024年にフォナック本社にロジャーオーディオロジストとして加わりました。
参考文献
2. Thibodeau, L. (2014). Comparison of speech recognition with adaptive digital and FM wireless technology by listeners who use hearing aids. American Journal of Audiology, 23(2), 201-210
3. Ishida, I., Pichora-Fuller, M., Edgett, L., Voss, S. C., Paccioretti, D., Trusler, A., Liu, Y., Cui, M., & Qian, J. (2022, August 10-14). The effect of a Remote Microphone Technology on the group listening experience of older adults. IHCON, Lake Tahoe, United States.
4. Taphuntsang, D. (2019). Market Research ID 1299. Please contact marketinsight@phonak.com if you are interested in further information
5. Sonova proprietary research. (2019). Project ID #1299. Please contact marketinsight@phonak.com if you are interested in further information.
6. Lejon, A. & Smith, C. (2020). Speech improvement using Roger NeckLoop with different brands of hearing aids. Phonak Field Study News. Retrieved from www.phonak.com/evidence
[関連リンク]
ロジャーのはなし – パート1【オーディオロジーブログ】 | きこえのブログ by フォナック

