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SN比と聞き取りの関係 (子供編)

以前 SN 比と聞き取りの関係をグラフにしたのをここで紹介しました。
で、これは成人のケースで書いていたようです。
子供の場合は、どうなるのかなぁ?と思っていたところ海外の論文
になりますが、1つの目安になるようなことが定量的に書いてあった
ので紹介します。

Classroom Acoustics for Children With Normal Hearing and
With Hearing Impairment
Carl C. Crandell (University of Florida, Gainesville)
Joseph J. Smaldino (University of Northern Iowa, Cedar Fall)
学校の教室に必要な SN 比や、反響音がどの程度出てしまうのかを
いろいろ書いています。
PDF の7ページ目の「Children with Normal Hearing」という段落です。
そこに書いてあるのはこんな内容です。
For example, in a relatively good classroom listening
environment (SNR = +6 dB; RT=0.4 second), these children
were able to recognize 71% of the stimuli.
In a poor, but commonly reported classroom environment
(SNR = 0 dB; RT=1.2 seconds ), perception scores were
reduced to less than 30%.
今日は SN 比について書いているので、反響音のところは割愛
しちゃいますが、こんな風に書いてあります。
1.環境のいい教室(SN 比が 6dB)の場合、健聴児は約 70% の
内容を理解している。
2.環境の悪い教室(よくある教室 SN 比が 0dB)の場合、
健聴児は 30% 以下に落ちてしまう。
やっぱり子供はまだ言葉を覚えている過程にあるので、大人より
も大きな SN 比がないと聞き取りは難しいんですね。
あくまでも1つの例だとお考えください。
もう1つ、論文などで指摘されるのは中耳炎についてです。
小学生は中耳炎になっていることが結構あり、一時的に軽い難聴
になっているケースがあるようです。
そんなときには、やはり SN 比を確保してあげることが大切ですね。
ということで、子供のケースは色々な要素が絡み合い、どちらか
というとここの青いグラフに近いのかもしれませんね。

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