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すべての一側性難聴児を明るい未来へ!-後編-

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補聴器装用効果が見込める一側性難聴への聴覚テクノロジー

補聴器の装用効果がある一側性難聴の生徒には、フォナック スカイ マーベル補聴器(こどもの難聴がある耳に装用)をお勧めします。この補聴器には、世界で初めてこどものために開発された補聴器のオートマチック機能「オートセンス スカイ OS」が搭載されています。この機能は、生徒が置かれている環境を検知し、それに応じて補聴器を最適な設定に調整してくれます。また、難聴の程度に応じていくつかのタイプがあり、充電式のものもあります。

もし、あなたのもとに一側性難聴を抱えるこどもがいれば、補聴が有効かどうかを判断するために、試聴を検討してみましょう。

 

補聴器装用効果が見込めない一側性難聴への聴覚テクノロジー

ロジャー フォーカス llは、最新の耳かけ型ロジャー受信機です。ロジャーは2つの機器から構成されています。

  • 声を拾うロジャー送信機(マイクロホン)を、話し手の口元近くに装着します。
  • 受信機であるロジャー フォーカス llを、児童の聞こえの良い側の耳に装着します。話し手の声はロジャー送信機からロジャー フォーカス llに電波を用いて直接送られ、児童の耳に届きます。

 

最近の研究では、騒がしい教室を想定してロジャー フォーカス llを使用した場合、健聴児たちと比較して、一側性難聴児たちは先生の声のような遠くからの会話を非常によく理解することができました*7。静かな環境においても、ロジャー フォーカス llを使用すると、使用しない場合と比較して一側性難聴児たちの会話の理解が有意に向上しました*7

 

ロジャー フォーカス llは、すべてのロジャー送信機と互換性があり、充電タイプとチャイルドロック付き電池ホルダーが利用可能な空気電池タイプを用意しています。豊富なカラーバリエーション(充電タイプ10色/空気電池タイプ2色)、そして様々なサイズから選べるスリムチューブが利用可能です。

 

フォナック クロス Bは外観は耳かけ型の補聴器ですが、内蔵されたマイクが非良聴耳側の耳から音を拾い、良聴耳側に装用した耳かけ型のこども専用補聴器フォナック スカイ Bに音を送ります。CROS補聴システムと呼ばれるこのシステムは、高度な処理により、こどもの非良聴耳側で話している人の声を聞く必要がある場合に最適です。

 

最近の研究のよると、CROS補聴システムを使用した一側性難聴者は成人・こども共に、非良聴耳側に音声を提示した場合、騒音下での音声認識スコアが向上することが示されました*8-12

 

専門家のアドバイスに簡単にアクセス

以下の2つの文書(英語)は、一側性難聴を持つこどもたちが明るい未来を築くための最善の施策が詰まっています。

  • 査読を受けた ”Consensus practice parameter” には、一側性難聴のこどもたちの管理に関する推奨事項が記載されていますので、こどもたちのユニークなニーズを十分にサポートすることができます。
  • “Quick Practice Guideline”(PDF)は、完全なプラクティス・パラメータを短くまとめたもので、ベスト・プラクティスの推奨事項を素早く便利に確認することができます。

 

一側性難聴児の個々のニーズを満たすために設計された包括的な聴覚ソリューションの詳細はこちらをご覧ください。(英文サイトはこちら)

 

著者:Whitney Spagnola(フォナック米国 キャンペーンマネージャ)

日中はフォナックのマーケティング部門で働き、夜は家族や友人とおしゃべりをしています。ホイットニーは耳鳴と軽度から中等度の難聴を抱えています。また彼女は軽度から中等度の難聴を抱える2人のこどもの母でもあります。

難聴になって良かったこと:こどもたちにさらに寄り添ってあげられるようになったこと

自分の補聴器の気に入っている点:色々な機器から思うままにストリーミングができること

好きな音:笑い声

 

この記事は2021年4月20日にPhonak Audiology Blogに掲載された記事を翻訳したものです。

 

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【新製品】 空気電池タイプの 「ロジャー フォーカス ll‐312」 新発売!!
「ロジャー フォーカス II 」新発売です。

参考文献

7. Nelson, J. & Dunn, A., (2021). Roger Focus II in children with unilateral hearing loss. Phonak Field Study News, accessed May 2021.

8. Snapp, H. (2019a). Nonsurgical management of single-sided deafness: Contralateral routing of signal. Journal of Neurological Surgery Part B: Skull Base; 80(2): 132-138.

9. Snapp, H., Hoffer, M., Spahr, A., Rajguru S. (2019b). Application of wireless contralateral routing of signal technology in unilateral cochlear implant users with bilateral profound hearing loss. Journal of the American Academy of Audiology; 30(7): 579-589.

10. Kuk, F., Seper, E., Lau, C., Crose, B., Korhonen, P. (2015). Effects of training on the use of a manual microphone shutoff on a BiCROS device. Journal of the American Academy of Audiology; 26(5): 478-493.

11. Picou, E.M., Davis, H., Tharpe, A.M. (2020). Considerations for choosing microphone technologies for students with limited useable hearing unilaterally. Language Speech and Hearing Services in Schools; 51(1): 74‐

12. Williams, V.A., McArdle, R.A., Chisolm, T.H. (2012). Subjective and objective outcomes from new BiCROS technology in a veteran sample. Journal of the American Academy of Audiology; 23(10): 789‐806.

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