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フォナック オーデオ インフィニオのAI騒音抑制機能がもたらす認知的メリット【前編】

「聞く」という作業を行っている時、脳はどんなふうに働いているのか?この記事では、インフィニオ スフィア 搭載の機能「全方位からのことばの明瞭性(SSC)」がどのように認知負荷を軽減し、会話の内容に集中しやすくするかについて解説します。

早口の会話についていけず、聞くと同時に内容を処理するのが難しいと感じたことはありませんか?
これは「認知処理速度」に関係しています。つまり、脳が情報をどれだけ早く取り込み、解釈し、そして反応できるかという能力です。指示の理解、問題解決、作業を効率的に完了するのに大きな役割を果たします。

または、周囲の騒音を無視してひとつの作業に集中したり、反射的に反応しそうになるのを我慢するのに苦労したことはありませんか?渋滞している道路を運転している時、GPSは「右折です」と言うのに、目の前の標識には「左折のみ」と書かれていた時。脳は古い情報や相反する情報を抑え、今もっとも重要な情報に集中しようとする状態になります。これが「干渉抑制(interference control)」と呼ばれる認知機能です。

さらに、多くの人が買い物リストを頭に思い浮かべながら歩いた経験があると思います。複数の情報を一時的に記憶し、それを処理するこの力は「ワーキングメモリ」と呼ばれます。

これらの例は、騒がしい環境下で会話を理解する上で極めて重要な3つの認知機能を示しています。

  • 処理速度

  • 干渉抑制

  • ワーキングメモリ

インフィニオ スフィアの機能「全方位からのことばの明瞭性」

フォナックは、インフィニオ プラットフォームの導入とともに、先進的な騒音抑制機能「全方位からのことばの明瞭性(以下、SSC)を発表しました。この技術は、ディープ・ニューラル・ネットワーク(DNN)を用いて、騒がしい環境から音声を抽出するために設計されました。

この度、最新の研究によりSSCの効果が裏付けられました。被験者は、SSCが有効になっている状態で、外部からの干渉をより効果的に抑制し、より多くの情報を記憶できたのです。
つまり、SSCが騒音下における重要な認知機能をサポートしている可能性が示されたのです。

聞こえに困難を持つ人にとって、なぜこれは重要なのか?

日常生活において、補聴器ユーザーは背景の話し声を無視しながら特定の声に集中したり、騒がしい場所で口頭の指示を覚えたりする必要があります。

しかし、騒音の中での聞き取りでは、脳は「音声と雑音を区別する作業」にある程度の思考力・注意力を割かなくてはなりません。その分、話の内容を理解したり、記憶したり、活用したりする余裕が少なくなるのです。

そこで、SSCのような技術が騒音を軽減してくれることで、脳が本来注ぐべき「会話の内容」へより多くの注意を向けられるようになる可能性があります。

このシリーズの後編では、研究の設計とその結果が騒音下での認知機能に何を示唆しているかをより詳しく見ていきます。 [後編へのリンク]

 

▶︎この記事で取り上げた研究の詳細は、こちら

※本記事は、Phonak Audiology Blog に掲載された記事を翻訳したものです。

[参考リンク]

進化したメインチップERA™ | きこえのブログ by フォナック

・フォナック補聴器ウェブサイト:フォナック オーデオ インフィニオ スフィア

・一般のお客様向けウェブサイト:PHONAKブランドサイト

 

 

 

 

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