聞こえのブログのロゴ

Bluetooth®のブルースが聞こえる?【連載第2回】

フォナックのグローバルAudiology(オージオロジー:聴覚学)チームが出している「Audiology Blog」の日本語訳第2弾です。

元記事:Bluetooth causing you the blues?

紙が破れた穴から左耳に両手をあてて何かを聞こうとしている女性

Bluetooth®ペアリングとは何ですか?

Bluetooth®機器の接続は、「ペアリング」と呼ばれる手順からスタートします。ペアリングをすることで、2つの機器は「お互いを知る」ことができます。機器の識別アドレスと接続情報のほか、プロセスを保護し必要に応じて再接続が可能になるよう、パスキーを共有します。

フォナック補聴器の場合、音声ストリーミングに用いられる「Bluetooth® Classic(クラシック)」による接続は機器がお互いのBluetooth®電波の届く範囲内で利用可能であれば自動的に接続され、使用中は接続が維持されている必要があります。一方で、アプリで用いられる「Bluetooth® LE」接続は、マイフォナック アプリが起動されたときにのみ再接続されます。

Bluetooth® ClassicとかBluetooth®LEとか…「Bluetooth®Bluetooth®」じゃないんですか?

Bluetooth®によって、あらゆる種類の電子機器が接続可能です。つい補聴器とスマートフォンの接続だけを想定してしまいがちですが、Bluetooth®は様々な機器同士の接続に用いられています。例えば、医療機器とセンサー、コンピューターとキーボードやマウス、そしてもちろんスマートウォッチに代表されるウェアラブル端末もBluetooth®で携帯電話に接続します。

だから、この記事の中で覚えておいて欲しい重要なポイントの一つは、一言でBluetooth®といっても様々な種類がある…どんな機器を接続するかによって交換される情報も異なるためです。

フォナック補聴器には「Bluetooth® Classic」と「Bluetooth® LE」の2種類の汎用Bluetooth®接続を搭載しています。「Bluetooth® Classic」は接続された機器からのオーディオ信号ストリーミングの総称で、電話や音楽、動画を含むスマートデバイスによって生成された音声をカバーしています。Bluetooth® Classic信号は、ヘッドフォン、イヤホン、スピーカー、カーナビなど、Bluetooth®音響機器の大部分で使用され続けているため、「Classic」だからといって古い規格だなんて思ってはいけません。なぜなら、現在最も広く使用されている接続の一つだからです。

ペアリングをして接続すると、Bluetooth® Classic接続は送信側(電話など)から「マスター」補聴器へ、電話と音楽/メディアの信号のストリーミングを開始し、そしてオーディオ情報をもう片方の補聴器に中継します。フォナック補聴器を音声ストリーミング機器としてペアリングするとき、両耳装用でも右か左どちらか一方の補聴器しか接続しないのはこのためです。また、Bluetooth® Classic信号は非常に高密度なデジタル信号であり、一秒あたりのデータ量が非常に多いということは重要なポイントです。電話やメディア信号のストリーミングによって消費電流が増える可能性があります。

Bluetooth® Classicを搭載したおかげで、フォナック補聴器はAndroidやiOSスマートフォンに留まらず、ノートPC、デスクトップPC、スマートTV、さらにはスマートウォッチを含む幅広い機器と、過去だけでなく未来も直接接続可能な互換性を保つことができます。

また、フォナック補聴器は2番目に標準的な汎用Bluetooth®接続である「Bluetooth? LE」もサポートしています。これは、補聴器フィッティングに使用するノアリンク ワイヤレスとの接続に利用され、またマイフォナック アプリをインストールしたスマートフォンや、オプションのフォナック リモートコントロールとの通信にも利用されます。Bluetooth® LEは、スマートウォッチやその他のセンサー機器にも一般的に用いられ、コロナ禍における接触追跡アプリの開発にも広く使用されていました。[1]

Bluetooth® LE 接続によって転送されるデータ量は、音声ストリーミングで転送されるデータよりも遥かに小さいため、このタイプの接続は電池寿命に対して非常に優しいものです。

つまり、Bluetooth®接続はみんな同じように設計されているわけではないということです。音声情報(電話や音楽など)を送信するBluetooth® Classicは幅広い互換性を提供し、今日利用可能な数多くのBluetooth®対応機器で使用されています。Bluetooth® LE接続は、同期やフィッティングデータの送信に用いられます, これはBluetooth® Classicよりもはるかに小さいデータ量で、リモコンの動作やノアリンクワイヤレスを介したワイヤレスフィッティングに使用されています。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - -

連載第2回はここまでです。ぜひ第3回も楽しみにしていてください!☺

Bluetooth®は Bluetooth SIG,Inc の商標です。

◆関連記事◆

◆関連記事◆
Bluetooth®のブルースが聞こえる?【連載第1回】
Bluetooth®のブルースが聞こえる?【連載第3回】
皆さまからの[よくあるご質問(FAQ)]携帯電話とのBluetooth®接続について
いい音で、つながる。 ワイヤレス イヤフォンのように楽しむ スタイリッシュな補聴器。「 フォナック バート マーベル」
「ナイーダ パラダイス」の特長②拡張された接続性

【参照】
[1] Pullicino, E. (2020, May 11). Coronavirus and contact tracing apps. Retrieved from https://www.lexology.com/library/detail.aspx?g=4c728a68-4bd4-4698-8b00-12ccf7a9c8ef, accessed March 15, 2021

カテゴリ別メニュー
聞こえに関する情報をお届けします