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– お子さまから大人まで – ロジャーの効果と必要性【ルミティまとめ④】

今回は、フォナックの最新補聴器シリーズ「ルミティ」に共通する特長の中から、補聴器とロジャーを併用するメリットについてご紹介します。

会議や授業には、補聴器+ロジャー

補聴器は、聞き手と話者が 1.5m 以内に 1 対 1 でいる場合で、かつ騒音がある一定レベル以下であれば有効に機能します。

しかし、話者と聞き手との距離が 1.5m を超え、騒がしい環境や話者が複数人いる状況の場合では、音を拾いにくくなります。実際、補聴器ユーザーの 31% がきこえに限界を感じているという研究結果も報告されています*1

このような、補聴器だけでは聞き取りの難しいシーンでより快適な聞こえをサポートするツールが、デジタルワイヤレス補聴援助システム「ロジャー」。

ロジャーは、①送信機(ワイヤレスマイクロホン)が集音し、②補聴器の受信機を通じて補聴器に音声を直接届け、騒音下や離れた場所でのことばの聞き取りを改善します。研究によると、補聴器単独での使用と比較した場合にことばの理解が 61% 改善*2することが分かっています。

会議や授業、イベント会場やレストランなど、補聴器だけでは聞き取りが難しいシーンでは、ルミティとロジャーの組み合わせがより一層頼もしく聞こえをサポートします。

お子さまから大人まで、ロジャー使用時の負担を和らげるロジャーダイレクト機能

今回新モデルが追加されたスカイ ルミティ、ナイーダ ルミティをはじめ、ルミティシリーズのすべての補聴器に、ロジャーダイレクト機能が備わっています*

これにより、ロジャー受信機の機能を補聴器にインストールすることができるので、ロジャーマイクロホン(送信機)からの音声を補聴器で直接受信することができます。

*ロジャーダイレクト機能を利用するには、ロジャー受信機の機能を補聴器にインストールする必要があります(有償)

聞こえの合理的配慮に、ロジャー

2024年4月の改正障害者差別解消法施行により、教育機関のみならず企業による合理的配慮の提供も義務化されました。

フォナックでは、合理的配慮によって音環境の改善を考える方へのソリューションの一つとして、ロジャーをおすすめしています。

ロジャーはすでに国内外のさまざまな教育機関や企業でご利用いただいており、補聴器や人工内耳をお使いの方の日常的なコミュニケーションや会議の情報保障ツールとして活用されています。

【参考】

お子さまがロジャーを使うメリット

小学生は、学校で1日の約90%を騒がしい環境で過ごしていると言われています*3。これは難聴のお子さまにとって聞き取りが非常に困難な環境と言えますが、補聴器にロジャーをプラスすることで、聞き取りの課題を大きく克服できる可能性があります。

研究によると、子どもが補聴器とロジャーを併用すると、補聴器を単独で使用した場合と比較して 34% ことばの聞き取りが向上することが分かっています*4。さらに、ロジャーと補聴器の併用により 1 日あたり 5,300 語の学習が可能になり*5、子どもの発話についても 12% 増加することも明らかになっています*6

ロジャーは量と質の両面から、お子さまの成長に欠かせない “ことばの習得” をサポートします。

お子さまに最適なロジャーを

フォナックでは、多種多様なロジャーマイクロホン(送信機)を取り揃えています。お子さまの年代や環境に合わせた機種をお選びいただくことをおすすめします。

● 乳幼児

言語獲得期にある乳幼児は、しっかりとことばを耳に入れていく必要があります。そのため、保護者がいつでも使いやすい「ロジャー オン V2」がおすすめです。

・ロジャー オン V2 は、全ての年齢において汎用性が高い近距離対応マイクです。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

 

● 幼児~小学生

騒がしい中で過ごすことが多い幼稚園児や小学生には、学校で先生が使いやすいディスプレイ付きの「ロジャー タッチスクリーン マイク」がおすすめです。

・ロジャー タッチスクリーン マイクは、多くの教育現場でご利用いただいている遠距離対応マイクです。詳しくはこちらの製品ページをご覧ください。

● ティーンエイジャー

13歳以上になると、多くのティーンエイジャーは学校だけでなく友達との外出など、行動範囲が広範に及ぶようになります。自分が聞きたいことばを自分で取りにいけるよう、手軽な使用感のロジャー オン V2 がおすすめです。

 

【ロジャーに関する他ブログ記事】


【参考】

参照元:
*1 Abrams, H. B., & Kihm, J. (2015年)。An introduction to MarkeTrak IX: A New Baseline for the Hearing Aid Market. Hearing Review, 22(6),16.
*2 Thibodeau L. M. (2020). Benefits in Speech Recognition in Noise with Remote Wireless Microphones in Group Settings. Journal of the American Academy of Audiology, 31(6), 404–411. https://doi.org/10.3766/jaaa.19060.
*3 Cruckley, J., Scollie, S., & Parsa, V. (2011). An exploration of nonquiet listening at school. Journal of Educational Audiology, 17, 23 – 35.
*4 Wolfe, J., Neumann, S., Schafer, E., Towler, W., Miller, S., Dunn, A., Jones, C., Nelson, J. (2021). Evaluation of a Dual Adaptive Remote Microphone System. Journal of Educational, Pediatric & (Re)Habilitative Audiology (JEPRA), Vol. 25, 2021-2027
*5 Benitez-Barrera, C.R, Angley G.P., & Tharpe, A.M. (2018). Remote microphone system use at home: Impact on caregiver talk. Journal of Speech, Language and Hearing Research, Vol. 61, 399-409.
*6 Bacic & Tharpe (2019)
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